ソニー、「分社化の推進」で何が変わるのか 不採算事業の売却・撤退が今後のカギに
平井社長は2012年に就任後、「感動を届ける会社になる」と公言し、製品開発の現場に積極的に足を運ぶなど、"ソニーらしい製品"作りを率先してきた。ただ、「製品開発よりも、もっと大局的な立場でリーダーシップを発揮すべき」との指摘があったのも確かだ。
今後は、新規事業などの機能こそ本社に残すものの、事業分野の権限は子会社に移譲。平井社長はあくまで会社全体のマネジメントに集中する。社長の管轄という意味では、"現実的"な路線へのシフトとも言える。
一人でマネジメントするには限界がある
一方で、今回の分社化は将来的な事業売却・撤退への布石との見方もある。平井社長は「分社化が即、事業売却や撤退につながることはない」と強調したものの、「(将来的には)売却や撤退、提携の可能性はある。一般論として、ソニーグループへの収益やブランド、ほかのビジネスへの貢献を考えなければいけない」と述べた。
株式市場では、ソニーは事業再編に踏み切るべきとの声も聞こえる。UBS証券の桂竜輔エクゼクティブディレクターは、「(成長領域に位置付ける)デバイス分野と、映画や音楽といったエンタテインメント分野は、家電製品のサプライチェーンの両端にあり、同じ経営者の傘の下に入れるのが合理的とは言えない。赤字だから撤退すべきという問題よりも、こうした観点から別会社にしてもいいのでは」と話す。
ソニーの今後の事業ポートフォリオを決めるのは、平井社長自身だ。「次の3年間で成長への投資ができる会社にしたい。その後は、コンテンツ、サービス、商品を通じて、お客さんに感動を届けられる会社にしたい」と訴えた平井社長だが、具体的にどんな手を打ち出すか。次は、分社化後の判断が問われることになる。
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