急に親の財産を相続した人が迫られる対処の主眼 後で苦労しないよう、元気なうちに聞いておこう

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
法定後見制度 任意後見制度 家族信託

実家を相続する場合、「亡くなった人の自宅土地の評価額を8割引できる」小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等/以下、「特例」)があります。割引になるのは330平方メートルまでで、それを超えた部分は通常の評価額になります。

減額幅が非常に大きいので、この特例が使えるかどうかで相続税が数百万~数千万円変わるケースもあります。

評価額1億円の土地を法定相続人である子ども1人に相続させるにしても、特例が使える場合は評価額が2000万円まで下がり、基礎控除額の範囲内に収まるので相続税はゼロになります。特例が使えない場合は1220万円の相続税が発生します。

特例の対象になるのは?

この特例の対象となる人は、①配偶者(夫・妻)、②同居をしている親族、③別居している親族です。

① の配偶者は無条件で特例の対象となります。

②については、子どもは原則として同居していないと特例の対象になりません。なお、「実際に同居していなくても、住民票が一緒なら特例を使えるか」という質問をいただくこともありますが、住民票を移しただけで、実際に同居をしていなければこの特例を使うことはできません。ただ、同居期間に定めはなく、親が亡くなる1週間前から同居を始めてもこの特例の対象となります。なお、亡くなったあと最低10カ月間は同じ家に住み続ける必要があります。

③ については、親と同居していない子どもが特例を使う場合、過去3年間、自分の持ち家や親族などの持ち家に住んでいないこと(賃貸暮らし)などが条件となります。親が老人ホームに入居していた場合は、要介護など自宅に住めない一定の事由があれば、自宅に住んでいたものとみなされるため、この特例を使うことができます。もっとも、二世帯住宅の場合で、親世帯と子世帯で区分所有登記をしてしまうと、同居とはみなされず、特例は使えないので注意しましょう。

次ページ老親の家をどう扱うか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事