訪日中国人が、"春節爆買い"で買ったもの 日本で何をどれだけ買ったのか

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中国人向け特別仕様のダーバンの高級スーツ(撮影:今井康一)

時計ではロレックスが人気。大丸松坂屋では、時計売り上げの3割をロレックスが占めた。最近ではメード・イン・ジャパン製品への関心も高い。「南部鉄器など日本の伝統工芸品やミキハウスの子供服などが売れている」(三越銀座店)。紳士服のダーバンでは、いかり肩が多い中国人の体型に合わせた14万円の国産スーツを特別に用意し、三越銀座店限定で販売した。

品ぞろえに加え、各百貨店が今後力を入れるのは、サービスの向上だ。松屋銀座店では言葉のカベがストレスにならないように、普段8人いる店内の通訳要員を春節の期間は11人へと増員。三越銀座店では、春節期間中に免税手続きをするカウンターを増やし、最大待ち時間を10分程度に抑えた。

日本に来るのは「親日家」

とはいえ、業界内では「免税売り上げは水物」という、冷静な見方もある。円安から円高トレンドへと転じたり、日中間で政治問題が複雑化したりすれば、訪日中国人数は減少する可能性がある。ただ、松屋銀座店は「今日本に来ているのは親日家。また来たいと思ってもらえる買い物体験を提供できれば、悪影響は最小限に抑えられる」と考え、外部要因に左右されにくいリピーター確保を目指す。

近年の国内百貨店売り上げは、中間ボリューム層の消費低迷を富裕層の高額消費で下支えする構図だった。だがそこへ、新たに訪日中国人が援軍として現れた。この大事な客層をいかに長期的に取り込んでいけるかが、今後の成長のカギとなりそうだ。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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