中国の国有不動産大手「逆張り」で用地取得拡大 華潤置地、競合他社の資金繰り難の間隙突く

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中国で不動産不況が続くなか、華潤置地は中核都市の開発用地の積極取得に動いている。写真は開発が進む深圳市のウォーターフロント

中国の不動産業界でデベロッパーの経営危機が頻発するなか、国有大手デベロッパーの華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)が開発用地の取得攻勢をかけている。

同社は中国国務院直属のコングロマリット、華潤集団の傘下にある。民営の競合デベロッパーが資金繰り難で業務拡大の余力がないなか、その間隙を突いて優良な開発用地を獲得しようという“逆張り”戦略だ。

華潤置地は8月31日に開催した2022年1~6月期の決算説明会のなかで、同期間中に件数ベースで24件、建築可能面積ベースで合計380万平方メートルの開発用地を取得したと明らかにした。それらの取得費用は総額578億4000万元(約1兆1698億円)に上る。

2021年1~6月期との比較では、華潤置地の用地取得は面積も投資額もいくぶん減少している。しかし競合他社の2022年1~6月期の用地取得状況と横並びで比べれば、華潤置地に逆張りぶりは突出している。

というのも、中国の不動産業界では2021年秋から多数のデベロッパーの資金繰りが急速に悪化し、なかでも民営デベロッパーは新規の用地取得を断念せざるをえなくなっているからだ。例えば碧桂園(カントリー・ガーデン)、万科企業(バンカ)などの(財務状況が相対的に健全とされる)民営大手でも、用地取得を大幅に縮小しているのが実態だ。

1~8月の開発用地取得面積でトップに

市場調査会社の中国指数研究院のデータによれば、2022年1月から8月までに中国のデベロッパーが取得した開発用地の面積ランキングで、華潤置地は一躍トップに浮上した。

「2022年は不動産業界にとって重要な転換点であり、デベロッパーは未曾有の逆風とチャンスの両方に直面している。そのなかでチャンスの1つと言えるのが、開発エリアごとの事業機会に大きな差異が生じていることだ。中核都市や、さらにその中核エリアには(不動産景気全体が低迷していても)優良な投資機会がたくさんある」

華潤置地の董事会主席(会長に相当)を務める李欣氏は、決算説明会でそう述べ、「投資すべきときには投資するのみだ」と強調した。

例えば(北京市、上海市、広州市と並ぶ4大都市の一角である)深圳市では、華潤置地は2021年まで市政府が実施する開発用地払い下げの公開入札にほとんど参加していなかった。しかし2022年から積極姿勢に転じ、8月に行われた同年2回目の集中払い下げでは一度に14区画に応札。118億7700万元(約2402億円)を投じて、最終的に4区画を落札した。

本記事は「財新」の提供記事です

「各地の地方政府は、2022年上半期に中核エリアの優良な開発用地を大量に放出した。しかし資金繰り難に直面しているデベロッパーは応札意欲が低く、落札競争はあまり白熱しなかった。わが社にとって、これはまたとない投資機会だった」。華潤置地のCSO(最高戦略責任者)を務める謝驥認氏は、決算説明会でそう述べた。

(財新記者:陳博)
※原文の配信は9月2日

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