トヨタ、賃上げ1.3万円に難色 労組の要求額は1998年以来の高水準

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 2月25日、トヨタ自動車の上田達郎常務役員は、午前に実施した労使初交渉の中で、経営側が労組に対して賃金制度維持分を加えた1万3300円引き上げ要求にそのまま回答するのは難しいと説明したことを明らかにした。(2015年 ロイター/Mark Blinch)

[豊田市(愛知県) 25日 ロイター] - ヨタ自動車<7203.T>の上田達郎常務役員は25日、午前に行われた労使初交渉の中で、労働組合側の賃金引き上げ要求額は「非常に高額で(応じるのは)難しい」と述べ、「そのまま回答するのは到底不可能と言わざる得ない」と説明したことを明らかにした。

トヨタ労組は経営側に対し、賃金制度維持分の7300円に加え、ベアに相当する賃金改善分6000円(昨年実績2700円)を合わせた月額1万3300円を求めている。トヨタの森川茂樹人事部長によると、この賃上げ要求額は1998年(1万3000円)以来の高水準という。

昨年と同じ月給の6.8カ月分を要求した賞与についても、上田常務役員は「年収推移と関係各社の一体感という観点から、1万3300円という賃金引き上げ要求がある中での賞与6.8カ月は極めて高いものと言わざるを得ない」と指摘。満額回答は「たいへん難しい」との見解を示した。

トヨタ広報によると、労組側の要求に満額回答した場合、賃金、賞与などによる費用増加は約200億円になるという。

トヨタグループ企業の労組からなる全トヨタ労働組合連合会の光田聡志副事務局長は同日、初交渉を終えたトヨタ労組から「(労使の間で)隔たりがあるとの認識があると聞いている」と述べ、まだ初回のため、今後の交渉で「しっかりと要求を訴えていく」とした。

一方、要求に対するトヨタグループ企業の経営側の考え方については、「多くの経営者から、昨年に比べて一定の理解を得られている」との認識を示した。

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