NISAでお金を運用する際に超重要な「4つの原則」 「NISAの抜本的改革」はどのように行うべきか?

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これまでのNISA制度は、あくまでも税制上の措置であり、期限が定められたもので、将来の継続に不確実性があった。

この不確実性は、投資家にとっても不都合だし、ビジネスとしてNISAを提供する金融機関の立場に立つと、NISAに対応したシステム投資をしても制度が将来なくなるリスクがあるわけで、投資家と金融機関の双方、つまり金融関係者の総意として「NISAが恒久的な制度でないこと自体がとんでもないこと」であった。金融庁が行ったアンケートでも、国民のNISA制度に対する要望事項として制度の「恒久化」は、非課税期限の延長、非課税枠の拡大と並んで常に上位にある。

しかし、こうした「金融の世界の当たり前」が、「税の世界」に通用するかどうかは、やってみないとわからない。交渉当事者たちの「腕」にかかっている。

そもそも、NISAがスタートしたときから制度が恒久的に続かないと大変なことになる事情は同じなのだが、これまで時限的な措置として運用されてきた現実がある。

税の世界は、税の世界のロジックと時間的テンポで動いている。あの世界の住人の「意志」と「頭」(「いしあたま」と続けて読んでもいい)の固さを見くびってはいけない。

仮に金融行政として合理的な形がはっきりしていても、いきなりそこまでは到達せずに小出しに刻んでメリットを出したり、その他の税金関係の項目と抱き合わせで調整されたり、「何が出てくるかはわからない」し「何が出ないのかもわからない」というくらいに考えておく必要がある。

適格商品など、その他の注目点は?

投資家として最も大きな注目点は、新しいNISAの利用可能枠がどのくらいの大きさまで拡大されるかだろう。しかし、税制優遇対象となる「金額」は、税の世界の住人たちがぎりぎりまで駆け引きして決める種類のものなので、一体いくらになるのか予想することが難しい。

推測するに、金融庁は「総枠管理での非課税期間の無期限化」と「NISA制度の恒久化」の大きな制度的改革を勝ち取ることができれば、利用可能枠の大きさを含めた細目は、なるべく有利性の大きなものを実現したいとは思いながらも、「後から拡大することも可能だ」というくらいに考えているのではないだろうか。「メリットの小出し」は税の世界の住人の好みでもある。

「税」と直接関わるわけではない点で注目できるのは、「つみたてNISA口」、「一般NISA口」それぞれの適格商品の選定だ。「つみたてNISA口」に関しては、現在のつみたてNISAの商品選定基準よりも少なくとも緩くはしないだろうし、投資家にとってはそれが正しい。

「一般NISA口」については、購入手数料の高い商品、多分配型(毎月分配型、奇数月分配型、など)の投資信託、レバレッジ運用を行う投資信託、などを除外する可能性がありそうに思うが、どうなるかは不透明だ。個別株への投資は、過去の経緯や社会的な意義から考えて残すのではないだろうか。

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