だから、私はシンプルに5〜10項目以内に収めるように伝えています。大きくは「カルチャーの実践度合い」と「戦略の実行度合い」という2つを核とした人事評価に絞ることです。例えば、以下の項目に対して実践できているかを評価項目に入れます。
1.何をするにも5分前行動
2.守秘義務は絶対守れ
3.小さな納期も必ず守れ
4.小さな約束事こそ大事に守れ
また、「戦略の実行度合い」に関しては、会社や部署として毎年決められた戦略に対して、どの程度実行できたのかを評価することです。このようにシンプルにして上司などからの評価しやすさを重視することが、人事評価制度の運用しやすさにもつながるわけです。
「人事評価制度」は目的ではない
また、人事評価制度はつくったものの、期待したような行動が起こらないこともあります。その原因は、人事評価制度が経営戦略と紐づいていないことです。「人事評価制度を導入する」ことが目的となってしまい、経営者と人事が連携を取れていないということがあります。
そうならないために、評価項目に加えておきたいのが決定者である経営者が入れたいと考える項目です。
なぜなら、そうしなければ評価者と決定者(経営者)の認識に大きな誤差があるという問題が発生するためです。
経営者が評価したい項目が反映されていない人事評価は、意味がありません。経営者として大事にしたい事柄、従業員に常に意識してほしい事柄を「経営者の評価項目」としてひとつ必ず加えます。
例えば、経営者の評価として「チャレンジ精神」を加えてみます。チャレンジ精神とは、営業部署であれば新規顧客の開拓であり、製造部署であれば新製品の試作や研究など、事務職でも業務の改善や経理のDX化の推進などの提案もあるでしょう。従来の仕事以外の部分で、新しいことにチャレンジしていこうとする人を評価するわけです。
なぜ、経営者視点で入れるのが良いかといえば、「チャレンジしたことは必ずしも成果につながるとは限らない」からです。新規顧客の開拓をしても、必ず新たな受注が生まれるわけではありませんし、受注があったとしても新規の取引で大きな発注を行う会社はそう多くはありません。であれば、既存の顧客との取引を重視したほうが営業成績も安定します。
しかし、既存顧客だけでは将来的な企業の発展はありえません。そうしたチャレンジ精神をきちんと評価するカルチャーの会社であることを、経営者として発信するわけです。
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