岸田首相「逆風4点セット」の窮地でも強気貫く事情 政権の命運を決める安倍氏の国葬まで1カ月

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そうした中、ロシアのウクライナ軍事侵攻から半年となることを受け、岸田首相は23日、ウクライナ情勢関係閣僚会議で「主要7カ国(G7)と連携して強力な対ロシア制裁やウクライナ支援の継続」を指示した。

また、同日夜に週刊文春が報じた「岸田首相の熊本の後援会長と教団の関連団体とのつながり」について、岸田首相は24日午後の記者団とのオンライン質疑で「(教団と)関連しているとの意識がなかったと聞いている」として、自身の関与について「私自身が知りうる限りない」と重ねて否定。そのうえで自民党に対し「党総裁としてもう一段踏み込んだ体制の整備を指示する」と語った。

さらに、岸田首相はこのオンライン質疑で、早期収束が見込めないコロナ第7波の感染爆発への対応として、①感染者数の全数把握の見直し、②入国者に対する水際対策の緩和、などを表明した。また、物価高騰でもさらに踏み込んだ対策を早急に取りまとめる方針だ。

しかし、こうした一連の政府の対応には「その場しのぎばかりで、抜本的対策は皆無」(立憲民主)との批判が広がる。「現状をみる限り、政権側の反転攻勢に結びつく可能性は少ない」(自民長老)が実態だ。

“国葬外交”で状況は一変するという読み

それでも岸田首相は強気の姿勢を崩さない。

自民執行部も「逆風4点セットに対し、あの手この手の対応を打ち出し続ければ、何とかしのげる」(自民執行部)と高を括る。「とにかく国葬までこぎつけ、岸田首相が主役となる“国葬外交”をアピールすれば状況は一変する」(同)との読みからだ。

「9・27国葬」まで約1カ月。その後には岸田政権発足から満1年が控える。「これまで数々の危機を持ち前の強運で潜り抜けてきた」(側近)とされる岸田首相。「今回の危機も乗り越えられれば、その後は安泰」(同)との声もあるが、「政権の命運は、今後の旧統一教会問題などでの岸田首相の決断次第」(自民長老)であることは間違いない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事