愛知で最も人口少ない村が「キャビア生産」挑む訳 広告は「チョウザメが、村の人口を超えました」

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豊根村でチョウザメ料理が食べられるのは、ここを含めて5軒。チョウザメづくしのコースやチョウザメの寿司、薄造りなどバラエティーに富んでいるが、土・日のみの数量限定または要予約での提供がほとんど。しかし、ここでは「チョウザメだんごの香酢定食」(1200円)と「ザメ重」(2300円)の2種類のメニューを常時用意している。筆者は「ザメ重」を注文することに。

「山のレストラン ふるさと」で提供されている「ザメ重」2300円(筆者撮影)

5、6分ほど待ったところで「ザメ重」が目の前に運ばれた。ご飯の上にのっているのは、チョウザメの身の空揚げとチョウザメをすり身にしただんご、ししとうの素揚げ。空揚げにかぶりついてみると、淡水魚特有の臭みはまったくない。しっとりとした食感と上品な味わいが印象に残った。淡白な味ではあるものの、油で揚げることで旨味を引き出している。特筆すべきは、ほんのりと酸味のあるタレ。チョウザメそのものの味を邪魔することなく、ご飯がすすむ味付けに仕上がっている。

一方、すり身のだんごはプリっとした弾力があり、空揚げにはないコクを感じた。これもご飯によく合う。「ザメ重」以外にもとろろそばや小鉢、ピクルス、漬物、お吸い物と盛り沢山。食後にはコーヒーとお菓子も付く。

暴れて軽トラの荷台から飛び出してきた

「チョウザメのメニューを出すようになって今年で6年目ですね。役場から飲食店にチョウザメを食材として使ってほしいと言われて。初めてチョウザメを仕入れたとき、暴れて軽トラの荷台から飛び出してきました。顔も怖いし、触ることもできませんでした(笑)」と話すのは、「山のレストラン ふるさと」を運営する茶臼の里合同会社の社長、石田いまさんだ。

「山のレストラン ふるさと」を運営する茶臼の里合同会社の社長、石田いまさん(筆者撮影)

チョウザメのメニューを開発するにあたり、照り焼きや塩焼き、干物など考えつくだけの調理法をすべて試したところ、油で揚げるのがいちばん美味しかったという。脂が少ないので、焼き魚には向いていないのだ。

「臭みがまったくないうえに骨も鶏の軟骨よりもやわらかいので、だんごには内臓や骨も入れています。当初はトマトスープにこのだんごを入れて出そうと思いましたが、やはりご飯に合うものをと考えて、野菜と絡めて酢豚風の味付けにしました。それが『チョウザメだんごの香酢定食』です」(石田さん)

「ザメ重」を考案したのは、その1年後。だんごではチョウザメを食べたという実感がやや弱いため、切り身を使ったメニューを作ろうと考えたのだ。粉をまぶして油で揚げて、味付けのベースは、「香酢定食」で使ったタレ。これに甘味を加えることでご飯がすすむようにした。

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