脱・橋下?維新「初代表選」を自民党が注視する訳 見えない全国政党への道筋、大阪支配継続も

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自民、立憲両党の議員票と党員票の扱いをみると、2021年自民党総裁選では、国会議員(382人)に各1票を割り振り、約110万人の党員・党友には国会議員と同数の382票しか与えなかった。簡単に言えば、党員・党友票は議員票の約3000分の1の重みしかない。

また、同じ年にポイント制で争われた立憲民主党代表選も、国会議員による投票でポイント全体の半数近くになる仕組みで、残りが地方議員や党員・サポーターによる投票だった。

首相公選制を掲げ、代表選びも「全党員に1票」

維新が他党とまったく異なる代表選の仕組みを決めたのは、旧日本維新の会が2012年に結党した際だ。維新は当時から、首相を国民の直接選挙で選ぶ「首相公選制」を掲げており、党代表も全党員の投票で選ぶ方式を採用したとされる。

その後、他党と離合集散を繰り返すなかで方式が変更された時期もあったが、現在の維新では「全党員に1票」の規則が踏襲された。松井氏は「結党当時から、大統領的な総理がリーダーシップを発揮すべきだという党の考えがあり、代表選は対等にした」と説明する。

さらに大阪の地方議員の間では「国会議員だけが力を持つのではなく、大阪をはじめとした地方議員も平等にする狙いもある」との指摘がある。その一方で、ここ数回の国政選では東京、神奈川など大都市での選出議員が増え、大阪重視の代表選ルールへの不満も拡大していた。

一般党員のほとんどは特別党員からの紹介での入党とされ、3人の候補者は、特別党員を通じて一般党員の票固めに力を注ぐ構えだ。ただ「一般党員はいわゆる浮動票でもあり、街頭演説や討論会の内容次第で投票先が変わる」(党幹部)という不確定要素も少なくない。

このため、所属国会議員の間では「党員票の影響が大きすぎる。仮に大勢の党員を確保できれば、誰でも代表になれてしまう」(同)との不安も根強い。大阪の地方議員も「党員も等しく1票は理想だが、それだけでは組織は運営できない」と制度見直しを求める。

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