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セドラチェクvs斎藤幸平「成長は一体、何の為?」 資本主義での競争にどこまで意義を見出せるか

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  • 丸山 俊一 NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー/立教大学特任教授/東京藝術大学客員教授
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セドラチェク:競争は無意味ではありません。

斎藤:既に使いきれないほどの資産を持っている彼らが、より金持ちになろうとする競争は有意義ですか。

セドラチェク:たとえば、太陽エネルギーに関して競争しているなら有意義です。彼らが、どちらがいい車を持っているかで競争しているなら馬鹿げていますが、どちらがよりエコな車を作れるかで競争しているならば、それは良い競争です。

斎藤:もちろん、それは良い競争です。

ヨーロッパ型資本主義の道とは

セドラチェク:そうでしょう。しかも、これを政府が代わりに行うことはできません。これがもう1つの資本主義の奇跡です。机上ではマルクス主義のほうが優れているように見えるかもしれません。1社の企業だけが車を作ればスケールメリットで車はより安く作れます。

ですが、ソ連時代の車を思い出してください。ヨーロッパやアメリカの車と比較もできないほど、劣っていました。

今日、世界的に支持されている様々な考え方は、資本主義が生まれたヨーロッパから生まれています。民主主義の考え方が生まれたのもヨーロッパと言ってよいと思います。

エコの考え方はスウェーデン発で、ジェンダーに関する考え方もヨーロッパで生まれました。私はそのことをとても誇りに思っています。

エコもジェンダーも基本にあるのは社会やお互いを思いやることです。アメリカも日本も、お互いを思いやるヨーロッパ流の資本主義の道を進めるはずです。ですが、その原動力は私有財産と自己責任、自分の心に従うことでなければなりません。 

斎藤:しかし、実際には原動力は利潤追求で、環境保全やジェンダー平等もその範囲内でしか実現しないわけです。

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【GDP成長率がゼロでも…】

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