岸田新体制が始動「超重量級」人事でも不安募る訳 反主流を懐柔し、安倍派も手玉にとったが…
ただ、岸田首相にとって、こうした「永田町特有の人事の駆け引き」(自民長老)以上に重要だったのが「“脱旧統一教会”という難題への対応」(官邸筋)だった。
岸田首相は旧統一教会との何らかの関わりが指摘された前内閣の7人の閣僚を外したが、留任させた山際大志郎経済再生相(コロナ担当兼務)も含め新たに7人の関わりが発覚し、野党からは「もはや自民党は、統一教会関係者排除では組閣ができないというずぶずぶの関係を証明した」(小池晃共産党書記長)と激しく攻撃されている。
これを受けて野党側は早期の臨時国会召集を求めており、その前段として9月上旬に想定される衆参両院での閉会中審査は「旧統一教会問題で大荒れになる」(立憲民主幹部)ことは確実だ。
副大臣・政務官と旧統一教会の関わりにも注目
しかも、12日午後に実施された副大臣・政務官人事で登用された議員からも、合計10人(副大臣4、政務官6)が過去に何らかの「関わり」を持っていたことが判明し、改めて問題の根深さを浮き彫りにした。
ただ、ほとんどが自己申告に基づくもので、岸田首相は差し替え人事などは行わない方針。しかし、今後の調査などで本人の説明以上の「深い関わり」が発覚すれば、国民の不信が拡大し、さらなる内閣支持率の下落につながりることは確実だ。
各種世論調査をみても、国民の圧倒的多数が政府・与党の”脱・旧統一教会“を求めており、今後も事態が暗転するようなら、自民党が避けている「党による徹底調査と処分」に追い込まれる可能性も少なくない。
国際的にも「過去に例がないほど重要な外交イベント」(外務省幹部)となる「9・27国葬」まで、なお1カ月半もの時間が残っている。
「安倍氏の国葬と旧統一教会の関係での反対論やコロナ感染爆発の展開次第では延期の可能性もあり得る」(自民長老)だけに、電撃人事を成功させた岸田首相にとっても、「当分はおちおち休みもとれない追い詰められた状況」(同)が続くことは間違いない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら