新幹線、次世代の営業列車を生む「試験車」の系譜 かつての「1000形」から、最新型のALFA-Xまで

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東北新幹線で試験走行中のALFA-X。10号車は22mという超ロングノーズで客室の窓が3個しかない。ALFA-Xは営業列車と同じ時間帯に走行し、最高速度は当面営業列車と同じ時速320km(仙台―盛岡間)・時速260km(盛岡―新青森間)とのこと(筆者撮影)

JR東日本が次世代新幹線を開発するために製造した新幹線試験車両E956形ALFA-Xは2019年5月から2022年3月にかけて各種開発品の性能試験を行ってきた。2022年度は耐震部品などの耐久性確認や、将来の自動運転に向けた基礎研究のための試験走行に移行。今のところ仙台―新青森間を中心に、営業列車が運行している時間帯に走行し、深夜・早朝には那須塩原―仙台間でも試験走行を行っている。

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過去にも存在した試験車両

ALFA-Xは営業用車両の試作車・先行車とは異なる純粋な試験車両。しかし、E5系の後継車となる新型車両開発のプラットフォームであり、営業車に反映すると考えられる技術の試験も行っている。

新幹線にはこのような試作車・試験車両が過去にも存在し、大なり小なり営業車両に技術が反映されてきた。

国鉄時代には東海道新幹線用試作車の1000形、最高時速250kmを目標とした951形、全国新幹線網に対応した961形、東北・上越新幹線用試作車の962形が登場。1000形は0系、962形は200系の開発に大きく貢献した。また、951形の連続換気装置は0系14次形で採用され、アルミ車体とボディマウント構造、サイリスタ位相制御方式は、後に200系で本格採用された。961形で試作された食堂車は0系17次車で実現。また、客室の小窓は0系1000番代で採用されている。

951形はロングノーズなのが特徴。山陽新幹線で試験を行い、最高時速286kmの記録を打ち立てている。951-1が東京都国分寺市のひかりプラザで保存されていて、車内には貴重な資料を展示している(筆者撮影)
961形は山陽新幹線で試験後、東北新幹線の試験線に移動。最高時速319kmを記録した。961-1と961-6が新幹線総合車両センターで、帯を緑に塗り替えられて保存。一般公開で見ることができる(筆者撮影)
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