NHKを視聴できない「テレビ」が売れる深い事情 ネット配信動画やユーチューブ、ゲームに特化

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ネットの動画配信の視聴者は増加中だ。ICT総研が昨年8月に発表した「2021年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」によると23年には定額制サービスの利用者は3710万人に達すると予測している。

経済アナリストの森永卓郎氏(独協大経済学部教授)は「ネットしか見ないと割り切る人が増え、視聴スタイルがガラリと変わっている。時代を反映し、時代の隙間にスポンと、はまった商品」と分析する。

大手家電メーカーは本格的に参戦しておらず、今後のチューナーレステレビ市場が、どこまで拡大するかは見通せないが販売各社では「市場はさらに拡大する」と想定し、新商品の投入を予定している。森永氏は「転換期に咲いたあだ花的な商品。通常のテレビを逆転するかは微妙だと思う」とするが、若い世代を中心に認知されている受信機能のないテレビの発信力と注目度は、まだまだ高まりそうだ。

(大上悟)

■ドン・キホーテ先行
チューナーレステレビの発売で先行したのが大手ディスカウント店「ドン・キホーテ」だ。昨年12月に24型(2万1780円、税込み)と42型(3万2780円、同)の2種類を計6000台発売し、約1カ月で完売した。今年2月、6月と追加販売し、2月分は完売している。「テレビのようでテレビじゃない!!」のうたい文句で注目を集めた同社では「想定していた以上のニーズがあることが分かった。さらに大きなサイズを含めた新商品を近々に発表する」としている。
◆NHKの受信料 放送法第64条(受信契約及び受信料)1項では「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定めている。地上契約は12カ月前払いで1万3650円(同衛星契約は2万4185円)。チューナーレステレビは放送を受信する機能を有しない設備とされる。
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