「移民獲得競争」に背を向ける日本はスルーされる 移民拒否ならそこそこ豊かな生活の保証もない
ここで、「ルクセンブルクのように大量に移民を受け入れてまで大金持ちになりたいとは思わない。日本人だけでそこそこ豊かな暮らしを維持できれば十分だ」と考える人がいます。しかし、こういうやり方を今後も続けられるでしょうか。
いま日本では、少子化で労働力不足が深刻化し、外国人労働者への依存度が高まっています。すでにコンビニエンスストア、居酒屋、建設工事、介護施設といった職場では、外国人労働者なしでは事業が立ち行かない状態です。今後は、こうした3K職場だけでなく、多くの職場で外国人労働者に頼らざるを得なくなります。
「日本人だけでそこそこ豊かな暮らし」は長続きしない
いま日本以外の先進諸国では、労働力不足を補うために移民の誘致に本腰を入れています。カナダは、2021年から2023年の3年間で計120万人以上もの移民を受け入れる計画を実行中です。各国の移民獲得競争が、いよいよ熾烈になっています。
ベトナム・インドネシアなど東南アジア諸国の人たちは、いまは日本に働きに来てくれていますが、将来はどうでしょう。自国の所得水準が上がり、他の先進国が好待遇で移民を誘致する中、低賃金の日本は移住先としてまったく魅力が乏しくなります。
日本に移民が来なくなったら、労働力不足で実に不便・不自由な社会になります。コンビニエンスストアは1日5時間しか営業しない、介護施設の利用は月2回まで、家電が壊れても修理は半年待ち、道路や橋はボロボロのまま放置、という悲惨な状態になっても不思議ではありません。
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