リーダーなら身に付けたい「トラブル対処」のコツ 感情を理性でコントロールし、表に出さない

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飛んでくる矢をしっかりと受けていれば、どんなトラブルのときも、精神面も含めて助けてくれるメンバーは必ずいます。

前任者時代に発生した問題を引き継いで、それを長期間かけて解決までもっていったリーダーを何人か見てきましたが、その人たちに共通していたのが、「絶対に愚痴を言わないこと」そして「自分のこととして受け止めていたこと」でした。

実際には、自分が原因をつくったわけではないにもかかわらず、非難を一身に受け続けるのです。思うところは多いはずですが、愚痴を言わない。それを見た周りのメンバーは、背景がわかっているだけに、苦しいけれど支えようという思いをもつのです。

しかし、ときには矢面に立ちながら、どうしても解決に至らず責任をとってポジションを譲らざるをえないこともあるかもしれません。その場合は前任者としてできるだけ準備をしたあと、後任に引き継ぐようにしてください。残念ですがこれもリーダーがとるべき責任のとり方の1つです。

ときには政治的にも振る舞う

チームの仕事を進めるとき、他部署や既得権が絡んでいるやり方を変える必要があると、社内であっても利害が対立することがあります。これを解決するのが「政治」です。

このときかかる外圧によっては、今までメンバーががんばってつくり上げてきたことが無になりかねないことがあります。こんなときもリーダーの出番です。こうしたトラブルを切り抜け、場合によっては政治をうまく利用することも、リーダーに求められるスキルです。

くだらないと思われますが、残念ながらこれはどんな組織でも同じです。
このようなときはまず、リーダーが態度を決めます。

次に、メンバーに対して状況の説明と、それに対するチームの態度を説明します。

もし、外圧に屈せざるを得ない場合は、その理由をメンバーが納得のいく形で説明します。逆に対抗措置をとるのであれば、チームに協力を依頼して、具体策を示します。

社内で政治的対立があるとき、リーダーは対立する外部からの批判を浴びますが、外圧に屈せざるを得ない場合は、チーム内部からの批判も浴びます。これはリーダーシップの危機です。 ここではメンバーの納得を得るために、論理と感情を駆使して説明することが求められます。

このときどちらの態度をとるにしても、「仮想敵」をもつと、チームが一つになりやすくなります。仮想敵はもちろん「問題」や「課題」それ自体であり、特定の人物や組織ではありませんので行き過ぎは禁物です。

「仮想敵」に勝ったとき、チームは一段高いレベルで団結していることでしょう 。

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