ランジェリーに殴り込み!革命児の壮大戦略 製品サイクルに注目したネット戦略で躍進

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新製品のサンプルが並ぶオフィス(写真:Yana Paskova/The New York Times)

「ヴィクトリアズ・シークレットがランジェリー市場を変えた」と、IBISワールドのアナリスト、ブリタニー・カーターは言う。「多くの店はセクシーさを売ろうとするが、ヴィクトリアズ・シークレットはライフスタイルを売る」

この市場に、エルマン・ウェイチは恐る恐る参入したわけではない。これまでに1200万ドル近い資金を調達し、ヴィクトリアズ・シークレットの元デザイン・ディレクターを迎え入れ、アドーア・ミーの名前を広めるために野心的な計画を立てている。2014年の収入は、前年の560万ドル(報道より)から3倍に増えた。

毎月のように新しいコレクションを投入し、Sから特大まで幅広いサイズを展開している。最近のスタートアップらしく、オンライン広告やソーシャルメディア、口コミを多用してブランドを確立しているが、昔ながらの戦略も取る。1月からは、ブラボーやライフタイム、MTVなどでテレビCMを始めた。

きっかけは「恋人に贈るランジェリー」

AdoreMeのプレス向けイメージカット(同社のホームページより)

ランジェリー事業には独特の強みと障壁があると、ハーバード・ビジネススクールの企業家的経営プログラムの共同責任者で、アドーア・ミーに投資しているシカール・ゴーシュは言う。「流行がすぐに変わらない分野で、ひとつの大手が独占している」

一方で、多くのスタートアップが挑むビジネスと違って、大規模な初期投資が必要な業界でもある。「低い志では失敗するのがオチだ」と、ゴーシュは言う。

アドーア・ミーの起業のきっかけは、ヴィクトリアズ・シークレットと似ている。1977年にヴィクトリアズを立ち上げたロイ・レイモンドは、妻のためにランジェリーを買いに行き、デパートより買いやすい場所が必要だと思った。

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