ランジェリーに殴り込み!革命児の壮大戦略 製品サイクルに注目したネット戦略で躍進

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現在は、ミアーズともうひとりのデザイナーが、アドーア・ミーが販売するすべての製品に携わっている。毎月30~40種類が新たに投入されるのだから、簡単な仕事ではない。サイトには400点以上のアイテムが掲載されている。

返品も含めて送料は無料。すべてのアイテムが返品可能だ。オンライン店舗ではよくあるサービスで、現物を見てデザインやサイズを確認したい客にはありがたい。ただし、返品率は、エルマン・ウェイチによるとわずか6%。ほかのオンライン店舗は20~40%にのぼる。

将来は実店舗の販売も

AdoreMeのプレス向けイメージカット(同社のホームページより)

最終的には、デパートへの出店や独立した店舗での販売を目指している。今のところネット販売のみで、60~70%がモバイル端末からのアクセスだ。

ソーシャルメディアでアドーア・ミーをフォローすると、無料のプレゼントや急ぎの配送など、一般的な特典がついてくるだけではない。企画中の新しいコレクションについて、感想を述べたり、投票したりする機会もあるのだ。

「試作品をサイトに掲載して顧客の反応を確かめてから、実際の製造を発注することもできる」と、ミアーズは言う。

テレビCM(スタートアップにとって大胆な戦略だ)を始める際も、ソーシャルメディアで集めた情報やネットでの実験を参考にして、どの広告を、どのテレビ局で、いつ流すかを決めた。

費用が高いテレビCMは、リーンスタートアップを実践して若い顧客層に狙いを定めるネット企業としては、異例の戦略に思えるかもしれない。しかし、エルマン・ウェイチは手応えを感じている。

「オンライン広告には、それ以上、広告を表示すると逆効果になる飽和点がある。(テレビCMを始めるまで)リサーチに1年近くかかったが、今のところ反応はすこぶるいい」

(執筆:SARAH MAX、翻訳:矢羽野薫)

(C) 2015 New York Times News Service

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