皮膚科医が語る「効くアイクリーム」に必須な成分 そもそもアイクリームでシワは改善するのか
加齢、日焼け、喫煙、あるいは目を細めたり、微笑んだり、顔をしかめたりなど原因はさまざまだが、年齢とともに顔にできるシワからは誰も逃れられない。とくに影響が出やすいのが、目の周りだ。イェール大学医学部皮膚科のサラ・パーキンス助教授は「目の下と目の周りの皮膚は繊細で薄く、肌のほかの部分よりもシワや線が目立ちやすい」と語る。
目の周りのシワをあまり気にしない人もいる一方で、こうした老化プロセスを遅らせ、肌を若々しく保ちたいと思う人もいるだろう。では、小さな容器に入った高価なアイクリームには、それだけの価値があるのだろうか。専門家の意見をまとめてみた。
アイクリームでシワは改善する?
パーキンス氏とスタンフォード大学の皮膚科臨床教授ザキア・ラーマン氏によると、アイクリームや顔用の保湿剤がシワの防止や肌の改善に役立つことを示すエビデンス(科学的証拠)は存在する。ただし、1つ大きな条件が付く。それは、レチノール(または処方レチノイド)やビタミンCといった有効成分が含まれていることだ。
「アイクリームの効果を語るときに、すべてのアイクリームを一緒くたにするのはフェアではない」とパーキンス氏は言う。「というのは、中には生物学的に有効な成分を含まない見かけ倒しの保湿剤もあるからだ」
レチノールと処方レチノイドはビタミンA由来の化合物だ。レチノイドは通常、処方が必要だが、レチノールは一般の市販製品に含まれる。細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進し、コラーゲンの損傷を防ぎ、新しいコラーゲンとより多くのヒアルロン酸(体が自然に生成する物質で、肌の水分を保つのに役立つ)を作り出す成分だ。