「ストレンジャー・シングス」が救うNetflixの危機 「オタク」「80年代」が13億時間視聴を生み出した

✎ 1〜 ✎ 74 ✎ 75 ✎ 76 ✎ 最新
拡大
縮小
Netflixオリジナルシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン4の視聴記録が13億時間以上に上り、Netflix英語コンテンツ歴代1位を獲得した(写真:Netflix)
この記事の画像を見る(5枚)
Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

「ストレンジャー・シングス」は挑戦作だった

7月19日、Netflixは2四半期連続で有料会員数が減少したことを明らかにしましたが、その減少幅が予想よりも縮小した要因を創業者兼CEOのリード・ヘイスティングスは「たくさんのタイトル、たくさんの視聴があったから」と説明し、あえて一例に挙げたのが「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でした。今年公開された最新作が合計13億時間の視聴記録を残したことに満足しているのが伝わってきます。Netflixにとって2022年上半期最大の功績とも言えます。なぜ「ストレンジャー・シングス」がNetflixの救いとなったのか。その理由を解説していきます。

この連載の一覧はこちら

「ストレンジャー・シングス」のシーズン1が配信開始されたのは2016年です。Netflixが日本に上陸した翌年にあたり、グローバルに拠点を広げていた時期とも重なります。まだその頃はNetflixではオリジナルシリーズの数そのものが少なく、大衆向けにヒットする映画やテレビとの差別化を意識し、最大の売りは「一気見」でした。「ストレンジャー・シングス」もそんな作品の1つでした。

「ストレンジャー・シングス」シーズン1が全世界配信されたのは2016年。ファミリー志向の高い物語は当時のNetflixオリジナルでは珍しかった(写真:Netflix)
次ページ挑戦作でもあった
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT