三菱UFJ、「委員会設置会社」移行の狙い みずほに続き、メガバンクで2例目
一方、MUFGでは2013年度にガバナンス協議会を立ち上げ、経営管理の在り方について検討を開始。2014年度には取締役会傘下の公式な委員会として協議会をガバナンス委員会に格上げした。そこでは、岩原紳作・早稲田大学大学院教授ら6人の社外委員と平野信行・MUFG社長の計7人がメンバーが議論を深めた。
昨年10月の東洋経済の取材で、ガバナンス委員会の事務局を担当する半沢淳一・執行役員経営企画部長は、「制約なく、ガバナンスに関するテーマを検討する委員会」と語っていた。現状維持も含めて、さまざま形態について議論を重ね、最終的に委員会設置会社に移行する方針を固めた。
カギを握る委員会のメンバー構成
今後の焦点は、実際にどのような人選をするかだ。法律で定められた「指名」「報酬」「監督」の3つの委員会は、過半数が社外取締役でなければならない。みずほFGの場合、指名委員会と報酬委員会のメンバーはすべて社外取締役だ。みずほFGの佐藤社長は、「指名委員会から明日辞めるようにと言われたら辞めなければならない。そういう緊張感がある」と語っており、構成メンバーは大きなカギを握っている。
MUFGの場合、4つの任意の委員会を持ち、11人の社外メンバーがいる。さらに、4人の元経営者・学者からなる「アドバイザリーボード」、6人の外国人有識者からなる「グローバル・アドバイザリーボード」もある。これらに関わる合計21人の社外メンバーを中心に、委員会設置会社における「指名」「報酬」「監督」の3委員会が構成されることになるだろう。
取締役会は現在15人中5人が社外取締役だが、委員会設置会社移行後は、社外取締役が増員されるとみられる。取締役会議長が社外となる可能性もある。実際、みずほFGの場合、元経済財政政策担当相の大田弘子氏が取締役会議長を務めている。
企業統治の体制にこれならば完璧というものはない。「重要なのは人数や形式ではない」と平野社長もつねづね語っている。社外取締役の意見が十分に経営に反映され、社外の目が実質的に経営に行き届く態勢づくりが求められる。
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