ネット炎上「広がる会社」「消せる会社」の決定的差 「早く言ってよ…」を防ぐにはルール作りが必要
言うまでもありませんが、「身内型」や「業務外型」、特にプライベートの炎上は隠蔽されがちです。誰だって自分がやらかした失敗、叱責を受けるとわかっているミス報告はしたくない。
そもそも、どれだけ炎上しようが、プライベートの投稿内容については、(厳密には)企業はどうこう指図できる立場にありません。こじれれば表現の自由という議論にもなりかねない話です。
就業規則で「勤め先の評判を落とすような振る舞いをするんじゃないよ」と定めておけば、それらのリスクもある程度はカバーできますが、多くの企業が「気を付けるんだよ、やらかしたら懲戒の対象だよ」までに留まり、その先のことが書かれていないのです。実はここが一番重要なのに……。
必要なのは、ネット・SNS等でトラブルが発生した際は、たとえプライベートな領域であっても迅速に報告すること。適切に申告した場合は、本来、懲戒の対象となるトラブルでもその懲戒内容を考慮する。これです、この一文が必要なのです。私はこれを「報告無罪」と呼んでいます。
炎上は隠しきれるものではない
言外に「もし言わなかったら……許さないよ」という威圧感を含んでいるのがポイント。もちろん、報告すれば全部チャラというわけにはいきませんが、どうせ炎上なんて隠しきれるものではありません。
匿名だろうが何だろうが、遅かれ早かれ絶対に発覚します。必ずバレるんだし、隠して状況を悪化させるくらいなら、早めに報告して一緒に対処したほうがお互いのためだよね。この事実を理詰めでしっかり伝え、「隠蔽」にメリットがないことをわかってもらうのです。
「ちゃんと報告したら減刑する」というルールを作り、「炎上は絶対にバレる」という研修をおこない、正直に迅速に申告することがいかに合理的であることを納得してもらう。これが「早く言ってよ……」案件を減らすカギになります。
■爆速連絡網
「躊躇しない」が解決したら、続いては「滞留しない」仕組みづくりです。いかに迅速に企業としての意思決定をおこなうか。そのための鍵となるのは、連絡しても捕まらないやつが悪い、という基本原則。せっかく現場から「炎上ォ! 炎上しています!」とアラートを上げているのに、それを受け取る側が捕まらなかったり、移動中だったり、そもそも連絡を見逃していたり……。
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