先頭車は非貫通のヨーロピアン風流線形、中間車にビスタドームといわれた2階建て車を備え、車体の色はその後の近鉄特急車の基本となるオレンジとブルーの新塗色を採用した。この美しいフォルムはたちまち日本中の話題になり、まだ若かった筆者もその姿にひかれ、遠くヨーロッパの鉄道にまで憧れるきっかけとなった。そして1960年1月のダイヤ白紙改正では名阪間無停車、いわゆる名阪ノンストップ特急が誕生した。
新鮮だった車内サービス
筆者は1976年、広報担当者立ち合いのもとで10100系の同乗取材をした。憧れの電車にワクワクしながらの乗車だった。
車内には、当時「スチュワーデス」と呼ばれた車内サービスを担当するアテンダントがおり、何よりも新鮮だったのは彼女たちが当時の飛行機と同じ“おしぼり”の提供や、飲み物・軽食のサービスをしていたことだ。ビジネスで行き来する関西や名古屋地区のオジサンたちは彼女たちのことを親しみを込めて「おしぼりネェチャン」と呼んでいたという。案内してくれたベテラン広報マンが、「キャバレーにスカウトされてしまう人もおるんですワ」とぼやいていたことが懐かしい。
1978年12月には3代目ビスタカー、30000系が登場。中間の2両が2階建ての4両編成で、デビュー時の報道公開から試運転や公式試乗会など取材を続けたことで、筆者には非常に親しみのある車両となった。4両編成2本の連結運転による大量輸送も可能になり、この成功を受けて国鉄でもダブルデッカー車の開発が進んだといわれている。30000系はリニューアルされ「ビスタEX」として現在も活躍中だ。
近鉄特急・歴代の名車たち
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「ビスタⅡ世」こと10100系
(撮影:南正時)
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3代目ビスタカーの30000系
(撮影:南正時)
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3代目ビスタカーの30000系
(撮影:南正時)
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初代「スナックカー」の12000系。更新前の姿だ
(撮影:南正時)
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ビスタカーとスナックカーの併結編成
(撮影:南正時)
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ビスタカー30000系は「ビスタEX」に更新された
(撮影:南正時)
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スナックカーとビスタEXの併結編成
(撮影:南正時)
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宇治山田駅付近を走る現行塗装のビスタEX
(撮影:南正時)
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側面に入ったビスタカーのロゴ
(撮影:南正時)
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吉野特急で活躍した16000系
(撮影:南正時)
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吉野線を走る16000系
(撮影:南正時)
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「新スナックカー」と呼ばれた12200系
(撮影:南正時)
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「新スナックカー」12200系
(撮影:南正時)
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12200系と22600系の併結編成
(撮影:南正時)
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近鉄特急といえば長年この色とスタイルで親しまれた
(撮影:南正時)
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近鉄特急のイメージを変えた「アーバンライナー」
21000系(撮影:南正時)
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更新後の「アーバンライナー・プラス」のロゴ
(撮影:南正時)
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「デラックスシート」のロゴ
(撮影:南正時)
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「アーバンライナー・ネクスト」21020系
(撮影:南正時)
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「アーバンライナー・ネクスト」21020系
(撮影:南正時)
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21000系(右)と「アーバンライナー・ネクスト」
21020系のすれ違い(撮影:南正時)
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西ドイツ国鉄のET403形電車。アーバンライナーは
筆者にこの車両を彷彿させた(撮影:南正時)
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登場時の「さくらライナー」26000系
(撮影:南正時)
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登場時の「さくらライナー」26000系
(撮影:南正時)
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「さくらライナー」26000系の前面展望
(撮影:南正時)
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「さくらライナー」26000系登場時の車内
(撮影:南正時)
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登場時の「伊勢志摩ライナー」23000系
(撮影:南正時)
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試運転時の「伊勢志摩ライナー」23000系
(撮影:南正時)
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「伊勢志摩ライナー」試乗会時の様子
(撮影:南正時)
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「伊勢志摩ライナー」試乗会時の車内
(撮影:南正時)
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「伊勢志摩ライナー」試乗会時の車内
(撮影:南正時)
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快走する「伊勢志摩ライナー」23000系
(撮影:南正時)
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更新後の「伊勢志摩ライナー」のロゴ
(撮影:南正時)
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現在の近鉄特急車の基礎となった
22000系「ACE」(撮影:南正時)
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現在の近鉄特急車の基礎となった
22000系「ACE」(撮影:南正時)
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後継車の22600系「Ace」
(撮影:南正時)
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22600系の狭軌仕様車16600系
(撮影:南正時)
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吉野線を走る16400系
(撮影:南正時)
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吉野線を走る16400系
(撮影:南正時)
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新旧特急車のすれ違い
(撮影:南正時)
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新塗装の「ACE」とビスタEXの併結編成
(撮影:南正時)
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新塗装の「Ace」とスナックカー
(撮影:南正時)
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新塗装になった「ACE」22000系のロゴ
(撮影:南正時)
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観光特急の看板列車「しまかぜ」
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」の車内
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」の前面展望
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」のコンパートメント
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」のカフェ車両
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」カフェメニューのカレー
(撮影:南正時)
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「しまかぜ」のロゴ
(撮影:南正時)
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宇治山田駅付近を走る「しまかぜ」
(撮影:南正時)
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ビスタEXと並んだ「しまかぜ」
(撮影:南正時)
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最新鋭の80000系「ひのとり」
(撮影:伊藤岳志)
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団体専用車の20100系「あおぞら」
(撮影:南正時)
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団体専用車の20000系「楽」
(撮影:南正時)
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かつて車内で実施していたおしぼりサービス
(撮影:南正時)
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車内でおしぼりを配る「スチュワーデス」
(撮影:南正時)
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車内サービスを行っていた「スチュワーデス」
(撮影:南正時)
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特急に乗務していた「スチュワーデス」
(撮影:南正時)
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西ドイツ国鉄「ラインゴルト」のドームカー。ビスタカーは
筆者が欧州の鉄道に関心を持つ機会になった(撮影:南正時
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近鉄は1943年に発足。写真のモ5651形はそれ以前の
大阪鉄道が製造した車両だった(撮影:南正時)
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