世界規模の高齢者人口増、インフレ圧力要因か 人口問題、官僚、大阪政治、人種など書評8冊

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[Book Review 今週のラインナップ]

・『人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小』

・『職業としての官僚』

・『大阪政治攻防50年 政党・維新と商都興亡の戦後史』

・『遺伝学者、レイシストに反論する 差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと』

[新書紹介 3分で4冊!サミングアップ]

・『第三次世界大戦はもう始まっている』

・『未完の敗戦』

・『金融DX、銀行は生き残れるのか』

・『生き物が老いるということ』

『人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小』チャールズ・グッドハート、マノジ・プラダン 著/澁谷 浩 訳/日本経済新聞出版/3300円/376ページ(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰

経済活動人口の増加という人口動態変化とグローバル化が過去30年間の世界的デフレの要因だが、そのトレンドが逆転し、世界はインフレ圧力と金利の上昇に向かうと本書は主張する。

少子高齢化に着目しインフレ到来を予測

過去を振り返ると、中国の世界市場への参入が、巨大な労働力供給超過を引き起こした。その結果、一部の高度な技術を持った労働者を除いて賃金は低下し、一方で資本所得は上昇した。また、企業の海外移転と移民の流入により、労働組合は交渉力を失った。

この過程で、インフレ率ゼロに対応する自然失業率は着実に低下し、デフレ圧力が生まれてきたという。

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