[Book Review 今週のラインナップ]
・『人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小』
・『職業としての官僚』
・『大阪政治攻防50年 政党・維新と商都興亡の戦後史』
・『遺伝学者、レイシストに反論する 差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと』
[新書紹介 3分で4冊!サミングアップ]
・『第三次世界大戦はもう始まっている』
・『未完の敗戦』
・『金融DX、銀行は生き残れるのか』
・『生き物が老いるということ』
評者・名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰
経済活動人口の増加という人口動態変化とグローバル化が過去30年間の世界的デフレの要因だが、そのトレンドが逆転し、世界はインフレ圧力と金利の上昇に向かうと本書は主張する。
少子高齢化に着目しインフレ到来を予測
過去を振り返ると、中国の世界市場への参入が、巨大な労働力供給超過を引き起こした。その結果、一部の高度な技術を持った労働者を除いて賃金は低下し、一方で資本所得は上昇した。また、企業の海外移転と移民の流入により、労働組合は交渉力を失った。
この過程で、インフレ率ゼロに対応する自然失業率は着実に低下し、デフレ圧力が生まれてきたという。
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