・『アダム・スミス 共感の経済学』
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・『元キャリア官僚が告発する ヤバい!厚生労働省』
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・『子どもが教育を選ぶ時代へ』
・『百歳いつまでも書いていたい』
・『横山光輝で読む三国志』
評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎
経済学の父、アダム・スミス。リーマンショック後の欧米では、新自由主義の元祖として、槍玉に挙げられることが多い。確かに、『国富論』では「見えざる手」の下、利己心に基づく個人の利益追求を通じ、分業と資本蓄積が社会の繁栄をもたらすと論じていた。しかし、以前からスミス研究が盛んだった日本では、堂目卓生・大阪大学教授の優れた一般向け著作もあって、そうしたレッテル貼りは行われてこなかった。
本書は「保守思想の父」エドマンド・バークの研究で知られ、かつ現役の英国保守党国会議員でもある人物によるスミスの評伝だ。資本主義勃興期の18世紀に生きたスミスの思想を手がかりに、現代社会が抱える課題にも深く踏み込んだ好著である。
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