科学技術vs.環境保護、温暖化めぐる歴史的争い 魔術師と予言者、働き方の変化など書評7冊

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[Book Review 今週のラインナップ]

・『魔術師と予言者 2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い』

・『仕事から見た「2020年」 結局、働き方は変わらなかったのか?』

・『シャーロック・ホームズの建築』

[新書紹介 3分で4冊!サミングアップ]

・『いま中国人は中国をこう見る』

・『人類の起源』

・『東大女子という生き方』

・『教養としての「数学Ⅰ・A」』

『魔術師と予言者 2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い』チャールズ・C.マン 著/布施由紀子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・北海道大学教授 橋本 努

地球温暖化をめぐる議論は、大きく2つの陣営に分けられる。科学技術によって問題をすべて解決できると考えるタイプと、「地球の限界を受け入れよ」と説く環境保護派のタイプだ。

本書は前者を「魔術師」、後者を「予言者」と呼び、これら2つの思考の歴史的な争いを豊かな筆致で描いたサイエンス読み物である。農業、水路、エネルギー供給、気候変動の4テーマをめぐって、専門の科学者たちがどんな生涯を送り、業績を残したのかを1次資料から丹念に発掘している。

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