中国の自動車メーカーの業界団体である中国汽車工業協会は7月11日、2022年1月から6月までの中国国内の新車販売台数が前年同期比6.6%減の1205万7000台だったと発表した。
2022年上半期は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う防疫措置強化、車載用半導体の供給不足、車載電池の原材料高騰などの影響により、中国の自動車産業は生産と販売の両面で厳しい試練に直面した。
この半年間の自動車販売は、事業環境の変化とともに「U字型」の曲線を描いた。具体的には、1~2月は前年同期比で増加、3~5月は大幅減となり、6月には再び増加に転じた。なかでも6月の販売台数は前月比34.4%増の250万2000台に達し、目覚ましい回復を見せた。
中国汽車工業協会の解説によれば、自動車産業のサプライチェーンは6月から全面的に復旧。メーカー各社はこれまでの損失を取り戻すべく生産を加速した。さらに、中国政府が(自動車産業を支援するために)自動車取得税の軽減に踏み切ったことや、各地の地方政府が消費促進政策を打ち出したことなどが功を奏し、6月は販売にも活気が戻った。
新排ガス規制の反動で商用車が大幅減
自動車のカテゴリー別に見ると、上半期の総販売台数が減少した最大の要因は(トラックやバスなどの)商用車の売れ行き不振にある。1~6月の商用車の販売台数は170万2000台と、前年同期比41.2%も減少。一方、乗用車は同3.4%増の1035万5000台と、小幅ながらプラス成長を確保した。
商用車の販売低迷は、大型ディーゼル車に対する新たな排ガス規制が2021年7月1日から施行された影響が大きい。新規制に対応した車両は(排ガス浄化装置などの追加コストで)価格が上がったため、新規制の導入前にユーザーの駆け込み需要が盛り上がり、2021年上半期は商用車の販売が急増した。その反動で、2022年上半期は前年同期比の減少率が実態以上に膨らんだ面がある。
一方、新型コロナなどの影響を感じさせない力強い成長を見せたのが、EV(電気自動車)に代表される「新エネルギー車」だ。1~6月の販売台数は前年同期の2.2倍の260万台に達し、自動車販売全体の21.6%を占めた。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
その背景について、中国汽車工業協会の副秘書長を務める陳士華氏は次のように解説した。
「上半期のコロナ禍のなか、自動車メーカー各社は限られた経営資源を新エネルギー車に優先して振り向けた。その結果、生産・販売ともに予想を超える実績につながった」
(財新記者:余聡)
※原文の配信は7月11日
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