篠原ともえ、40代でデザイナーへ華麗なる転身 夫婦で起業し手にしたのは国際的な広告賞

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「アートディレクターの池澤樹さんと出会って、新しい観点が生まれました。彼の仕事は広告がメインですが、プロダクトづくりや総合的なブランディング力にも長けているので、デザイン一筋で続けてきたそのキャリアから学ぶことが多かったです。

作品のために人生を捧げ、クオリティーをとことん追求し、それを世の中に届けてゆく姿に感銘を受け、私もチャレンジしたいと思うようになりました」

そんな思いを、所属していた芸能事務所に打ち明けたら意外にも快諾してくれた。「夫婦で仕事をするのはすごくいいことだよ」と応援もされたという。デザインの探求という目標も重なり、池澤樹と結婚。その後2020年に共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」(ストゥディオ)を設立した。

池澤樹デザインによるSTUDEOの名刺と封筒

この決断から、篠原ともえのキャリアが大きく変わっていく。

「会社立ち上げと同時に1年ぐらい、デザインに仕事を振るための準備期間を取りました。レギュラーのお仕事をお休みさせていただいて。SNSもすべて、一度退会して。会社の立ち上げのために準備をしたんです。

服飾の基礎を学び直すために母校(文化学園大学)の門を再びくぐり、作品をまとめたポートフォリオをつくって、専門家の方にお見せしご意見をいただいたり、自分の創作活動の基盤を作るため必死に学びました」

”持続可能なものづくり”を掲げ、国際的な広告賞を受賞

会社名の「STUDEO」というのはラテン語で「Study」の語源でもあり、「学ぶ」という意味が込められている。会社としてのスタンスは、いい作品を届けるために、時間をかけて、自分のクリエーションを信じ、作品のレベルを上げていくこと。

「池澤がよく私にも、社員にも伝えてるのが、"クオリティーファースト"。時間がかかって、すごく苦悩があっても、上質な作品を生み出すと必ず人の心に届いて、ポジティブなサイクルを導くはずだって。いいクリエーティブに対して、仲間が増えていくことを信じて作品を作ろうって、よく言いますね」

STUDEOのメンバーは4人で、池澤を筆頭にアイデアを出し合い、デザイナー陣が技術を形にする。「時間をかけて、高いクオリティーを放つことで、メンバーの心が持続可能になる」。そんな篠原ともえの言葉通りに、STUDEOを立ち上げてから、2年の月日を過ごしたタイミングでひとつの快挙を達成する。

ニューヨークADC賞ブランドコミュニケーションデザイン部門にてシルバーキューブ受賞

国際的な広告賞、『第101回ニューヨークADC賞』にてブランド/コミュニケーション・デザイン部門とファッションデザイン部門で二冠を達成したのだ。

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