「膨大な政治ニュース」選び方のコツは、これだ 唯一の正解がないのが政治の特徴、どうする?

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このような「ただひとつの正解」が存在しない政治において、わたしたちはどのようにして情報を取捨選択すればいいのだろう。

「正しさ」を過剰に追い求めることは、物事を単純化してとらえてしまうことになりかねず、逆に危険でさえある。

では、どうすればいいのか。わたしが提案する方法は、明快である。「ただひとつの正解」を探し求めるのではなく、情報を発信したりシェアしている人の「姿勢」を問うという方法である。

つまり、その人がどのような「姿勢」や「語り口」や「考え方」で情報を発信しているのかというところを、いちばん重視していくのである。

「より正義を語らない情報」を選ぶ

ここで、2011年の東日本大震災の後に糸井重里さんがツイートした投稿を思い出そう。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。(2011年4月25日)
https://twitter.com/itoi_shigesato/status/62361426609704960

糸井さんのこの言葉は、まさに政治についての情報収集にも当てはまるものだと思う。

多くの情報は、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで流れている。政治についての情報もそうだ。

そして政治の情報について語るとき、過剰に「怒り」や「脅し」や「スキャンダラス」、そして「正義」に突っ走る人たちがたくさんいる。

そういう「過剰さ」から、わたしたちは一歩距離を置き、「正しさ」や「正義」に過剰な人たちではなく、穏やかに静かに、温かいユーモアをもって発信している人たちを信じることである。

「ただひとつの正解」や「正しさ」を過剰に主張する意見ではなく、より「ただひとつの正解」「正しさ」「正義」を語らない人の情報を中心に見ていくことが、「ただひとつの正解がない政治」という分野の情報を選ぶうえでは、大事な姿勢になるのだ。

そして、そのような人たちとともに、政治の情報をシェアし議論をしていくことが、「より良い政治の情報」に近づくためのいちばんの近道なのである。

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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