「膨大な政治ニュース」選び方のコツは、これだ 唯一の正解がないのが政治の特徴、どうする?

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そうなると石油に頼らざるをえないが、しかし石油を燃やすことは地球温暖化対策に反してしまう。はるか遠い中東からタンカーで運んでくることの安全保障的なリスクもある。

だから「原発を再稼働するしかない」という方向に考えが傾いている人たちもいる(わたしもそうだ)。しかし福島原発の事故でわかったように、原発は一度事故を起こしてしまうと、破壊的なリスクを秘めている

そのリスクをゼロにする方法はない。そのことに恐れを感じている人はいまも非常に多いだろう。

では、エネルギーをどう確保すればいいのか。そこに「ただひとつの正解」など存在しない。

「答えのない情報」をどう取捨選択するか

再生可能エネルギーや蓄電のテクノロジーが進化するか、あるいはSMR(小型モジュール炉)のようにかなり安全な原子力発電を期待することもできるが、現時点ではどちらもまだ道なかばである。しかしエネルギー危機は喫緊の危機である。

こういう「『正しさ』が存在しない問題」にどう対処するのかというところに、政治家の出番がある

原発再稼働を目指すのか、いったんは温暖化問題を棚上げして石炭火力などに注力するのか、あるいはまた別の方法を採るのか。

どの方法を採用しても必ず「反対」は出るし、「ネガティブなこと」も起きる。そういうこともすべて引き受けて責任を持って対処するのが、政治家という存在なのである。

「バラ色の解決策」などどこにも存在しないのだ。「小学生でもわかる簡単なことをなぜできないのだ」などとのたまう一般人をときおりツイッターで見かけるが、世の中が小学生でもわかるほど単純だったら、わたしたちはこんなに苦労していない

単純ではないからこそ、政治が必要なのである。

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