睡眠不足に昼寝15分!デスクでうつ伏せが正解 30分を超えると起きた時に頭がぼんやりする
日本人の5人に1人は睡眠の悩みを抱えていると言われる。睡眠不足は仕事や勉強に悪影響を及ぼすほか、事故のリスクも上がる。さらに、肥満、生活習慣病、うつ病、アルツハイマー型認知症のリスクを上げることも指摘されている。
「昼寝をすれば、睡眠不足が解消されます。そもそも昼過ぎに眠くなるのは体内リズムに沿った自然な現象なんです。昼寝をすることは、仕事や勉強のパフォーマンス向上に役立ちます」
こう話すのは、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の栗山健一部長。昼寝でパフォーマンス向上とはありがたい。ただし、カギは「15分」という時間だという。30分を超えるとかえって起きた時に頭がぼんやりする。デスクにうつ伏せになるなど、「熟睡しない眠り方」が望ましい。
睡眠の質が改善する
「15分」「睡眠」を考えた時、トータル15分でできる「筋弛緩(きんしかん)法」もぜひ押さえたい。身体のさまざまな部位へ「力を入れ、抜く」を繰り返し、力が抜ける感覚をつかむ方法だ。東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科の岡島義(いさ)准教授が言う。
「緊張とリラックスは天秤のような関係で、緊張は覚醒と、リラックスは睡眠と結びつく。筋弛緩法で力を抜き、リラックスした状態に持っていくのです」
慢性不眠症患者50人を対象に就寝前4週間実施した研究では、寝つきにかかる時間が63分から28分に減少し、睡眠時間が5.3時間から6.2時間に延びた。睡眠の質は、熟睡感が最大7点のところ、3.3点から4.9点へ上昇した。
筋弛緩法で力を入れる時間は5秒、抜いた後の時間は20秒程度。静かな場所で、体を締め付けない服装で、椅子に座って行おう。就寝前に一通り、日中はできる範囲でやるのがおすすめだ。