週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

鉄道技術の外販で稼ぐ、JR西日本の新市場開拓 簡易型情報端末や自動改札機向けAIで実績

7分で読める
2/3 PAGES

実際、神戸支社管内300台の自動改札機にAIを導入したところ、年間で約30%故障件数が減ったという。この技術はJR九州に持ち込まれ試験導入が実施された。試験導入後の感触は「とてもよい感想をいただいた」とのことで、JRの垣根を越えた展開も期待できそうだ。

鉄道のみならず他業界にも売り込みを続ける。「鉄道から生まれた技術ですが、鉄道業界だけに固執することなく、あらゆる業界に応用のできる技術だと考えています」。と、JR西日本イノベーション本部オープンイノベーション室の井上正文課長が話す。日本中の企業を訪問し、「ほとんど家に帰っていません」と苦笑する。

多くの企業に知ってもらえるよう、鉄道事業者が出展したことがないような、IT、IoT業界の展示会にも積極的に出展する。ITやIoT業界にとって、JR西日本は“お客様”の立場だった。しかし、自らも技術を売るのであれば、“対等の関係”でなければならない。その意気込みで臨んだところ、逆にITやIoT企業からの問い合わせもあったという。

監視カメラ技術に期待大

自動改札機だけでなく駅構内の監視カメラにもAI技術が活用されている。映像を分析し、ホーム上でのふらつきや倒れている人を検知し、駅員に知らせるシステムである。この監視カメラの映像解析技術はすでに他社との協業実績もあり、路線バスや工場の検品作業などへの展開を目指している。

「オープンイノベーションを活用し、鉄道固有の技術に固執しない」と井上氏は話す。「これまでありがちだった、鉄道には活用できないから向き合わないというマインドをいったんなしにして、小さな課題でもいいし、失敗してもいいからとにかくやってみることを念頭に事業を進めている。外からの取り入れだけでなく、こちらからのアウトバウンドをしっかりと意識したい」。

JR西日本の「技術力」

  • 鉄道技術展でJR西日本のプレゼンテーションは大反響 鉄道技術展でJR西日本のプレゼンテーションは大反響
    だった(写真:村上悠太)
  • 個別に行き先を案内してくれるデジタルサイネージ。 個別に行き先を案内してくれるデジタルサイネージ。
    うめきた新駅に導入予定(写真:村上悠太)
  • スマートフォンを活用した保線向けアプリケーション。 スマートフォンを活用した保線向けアプリケーション。
    導入コストの低さが魅力(写真:村上悠太)
  • 監視カメラ映像を分析・検知する技術の体験ブース 監視カメラ映像を分析・検知する技術の体験ブース
    (写真:村上悠太)
  • 実際に座り込みを検知した 実際に座り込みを検知した
    (写真:村上悠太)
  • WEST EXPRESS銀河のモケットを使用した家具。 WEST EXPRESS銀河のモケットを使用した家具。
    家具として外販を狙う(写真:村上悠太)
  • JR西日本イノベーション本部の豊島氏(左)と JR西日本イノベーション本部の豊島氏(左)と
    井上課長(右)(写真:村上悠太)
1/
  • 鉄道技術展でJR西日本のプレゼンテーションは大反響
  • 個別に行き先を案内してくれるデジタルサイネージ。
  • スマートフォンを活用した保線向けアプリケーション。
  • 監視カメラ映像を分析・検知する技術の体験ブース
  • 実際に座り込みを検知した
  • WEST EXPRESS銀河のモケットを使用した家具。
  • JR西日本イノベーション本部の豊島氏(左)と

次ページが続きます:
【大阪ガスとの協業も】

3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象