世界エネルギー危機の最悪期は終わっていない 深刻さ、複雑さの点で過去に例なきエネルギー危機

拡大
縮小

世界的なエネルギーの供給逼迫(ひっぱく)は深刻な不足や、電力・燃料価格の高騰を引き起こしてきたが、この危機はさらに悪化する可能性がある。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が指摘した。

同氏は12日にシドニーで開催された世界エネルギーフォーラムで「世界が深刻さや複雑さの点で、これほど大きなエネルギー危機を目の当たりにしたことはない」とした上で、「最悪の事態をまだ経験していない公算がある。これは全世界に影響を及ぼしている」と発言。

2月のロシアのウクライナ侵攻を受け、エネルギーシステム全体が混乱していると語った。

1970年代の石油ショックが燃料効率の大幅な向上と原子力発電ブームにつながったのと同じように、世界ではよりクリーンなエネルギーへの移行を加速させるエネルギー政策が急増する可能性もあると、ビロル氏は指摘。一方、石油・ガス供給の安全保障は欧州だけではなく他の地域にも引き続き難題をもたらすとの見通しを示した。

同氏は「欧州の今年の冬は極めて厳しくなるだろう」とし、 「これは大きな懸念事項であり、世界経済に深刻な影響を与える恐れがある」と述べた。

原題:

Worst of Global Energy Crisis May Still Be Ahead, IEA Says (1)(抜粋)

More stories like this are available on bloomberg.com

著者:David Stringer

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT