英メディア「安倍氏銃撃で日本は永遠に変わる」 「信じられない」各社が事件を大きく伝えた

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コックス議員、そしてエイメス議員の殺害事件以降、議員の身辺警護は強化されることになった。政府は選挙事務所や自宅に警報や監視カメラを設置する、対話会では参加を予約制にするなどを推奨している。

600余人の下院議員が身辺警護に使う経費は、かつては微々たるものだったが、2019年度では330万ポンド(約5億円)まで急激に増えた。それでも、残念ながらエイメス議員の命は守れなかった。

首相が記者会見をするときはどうなのか

イギリスのボリス・ジョンソン首相は7日、首相官邸前で与党保守党の党首を辞任する意向を表明した。

イギリスでは、首相が辞任表明をするとき、必ず踏襲される流れがある。まず官邸の中に入るドアの前方に演台を置き、これと向かい合うように報道陣を並ばせる。あらかじめ決められた時間になると、ドアを開けて中から出てくる首相が演台まで数歩歩く。そこで辞任表明の演説をするのである。

官邸の建物のドア前には、許可がない限り、一般市民が行くことができないようになっている。官邸に向かう道路には門があり、つねに数人の警官が陣取っている。門の外には市民が立ち並ぶことができるので、ジョンソン氏の辞任表明のときにはたくさんの人がスマートフォンを片手に集まっていた。

警備担当者が何人いても、監視カメラがあっても、一定の時間に首相が特定の位置に立つことがあらかじめわかっているので、安全保障の面からは決して100%安心な状態ではない。しかし、首相の生の演説の声を聞き、その姿の一部でも見える場所に一般市民が立てるようにしておくことで、政治が(少なくともある程度は)国民に開かれていることを示すことができる。

政治の場をいかに国民に開かれた状態にしながら、政治家の命も同時に守るのか。イギリスでも永遠の課題となっている。

小林 恭子 在英ジャーナリスト

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こばやし・ぎんこ / Ginko Kobayashi

成城大学文芸学部芸術学科(映画専攻)を卒業後、アメリカの投資銀行ファースト・ボストン(現クレディ・スイス)勤務を経て、読売新聞の英字日刊紙デイリー・ヨミウリ紙(現ジャパン・ニューズ紙)の記者となる。2002年、渡英。英国のメディアをジャーナリズムの観点からウォッチングするブログ「英国メディア・ウオッチ」を運営しながら、業界紙、雑誌などにメディア記事を執筆。著書に『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』。

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