日本人が開発した「最強磁石」世界を席巻する凄み スマホや自動車に不可欠な「ネオジム磁石」

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ネオジム磁石という名前は、この磁石がネオジム・鉄・ホウ素という3つの元素からなり、もっとも重要な材料がネオジムという金属元素だからです。磁石業界ではネオジウム磁石と呼ぶこともあります。なお、重量比の大きい順は、鉄>ネオジム>ホウ素です。

周期表の中に希土類(レアアース)元素という一群があります。ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウムなど17の金属元素です。「産業のビタミン」といわれ、最先端機器に欠かせない「存在量が少ない」「取り出すのが困難」な金属資源をレアメタルといいますが、希土類(レアアース)もその一員です。

希土類は、お互いに性質がよく似ており、分離が困難であったため、それぞれの元素の発見には長い年月がかかりました。

レアメタルのレアは「少ない」という意味ではない

なお、レアメタル、レアアースの形容詞「レア(rare)」は、文字どおり「少ない」という意味ではありません。大半は文字どおりのレアではなく、地殻にかなりの量が分散して存在しています。

ネオジムの存在量は、銅や亜鉛、ニッケル、コバルトと肩を並べます。「単離や加工がしにくいうえ、需要が多くて品薄になりやすいので、「レア」なのです。ネオジム磁石が登場するまでもっとも高性能だったのはサマリウム・コバルト磁石です。

サマリウムもネオジムも希土類元素。だからどちらもまとめて希土類磁石と呼ばれます。サマリウム・コバルト磁石のサマリウムよりネオジムのほうが地殻にたくさんあります。

また、コバルトに比べて、鉄やホウ素は地殻にたくさんある元素です。コバルトに比べ鉄は圧倒的に安いです。ネオジム磁石は原料の資源量や価格的にサマリウム・コバルト磁石をしのいでいます。

さらに、ネオジム磁石は、サマリウム・コバルト磁石と比べて密度が小さく、機械的にも強いです。密度が小さいので装置の軽量化に役立ちます。また、機械的強度が大きいということは、加工作業・組立作業中の磁石の取り扱いが容易です。

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