「シャトレーゼ」に家族連れが押し寄せるワケ 100円台で買えるどらやきやスイーツが大人気

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ECの売り上げもコロナ禍で年率2倍のペースで伸びた。以前はフランチャイズ店への影響を懸念しECの運営を制限していたことも背景にある。しかしコロナ禍を通じ、ECサイトで見た人が店舗を訪れたり、店舗の客がECも利用したりといった、好循環が起こるようになった。コロナをきっかけに、ネット予約をして店頭で受け取れる仕組みを整えたことも功を奏した。

また大きな役割を果たしたのがSNSでの発信だ。

シャトレーゼがSNS戦略に注力するきっかけになったのが2017年に起こった出来事だそうだ。「田舎か都会かの基準はシャトレーゼがあるかないか」というコメントが拡散され、一気に注目が高まった。SNSの影響を確信した同社では、以後、SNSの発信を意識的に行うようになったそうだ。商品数が多いため、「どのスイーツが好きか」というテーマだけでもSNSを盛り上げることができる。

コンビニへの展開も後押し

さらにSNSと並んでブランドの認知を高めることになったのが、コンビニへの展開だ。同社によるとシャトレーゼのお菓子を食べたいが近くに店舗がない、という声に応え5年前より展開を開始。2018年の発売以来シリーズ累計2億本を出荷しているというシャトレーゼの看板アイス「チョコバッキー」のほか、人気スイーツがコンビニでも入手できるとして話題になった。FCを柱としているため、売り上げなどの詳細はやはり非公表だそうだ。

このように、以前からのSNS戦略でじわじわとシャトレーゼ人気が高まっていたところに、コロナの社会事情でビジネスモデルがうまく機能したことが、注目度アップ、業績の伸びにつながったのではないだろうか。

基盤となっているのはシャトレーゼが培ってきた商品力、ブランド力である。

シュークリームは108円、苺ショートケーキなら324円といった庶民の財布に優しいコスパのよさは、仕入れから販売までを一貫して自社で行う「ファームファクトリー」というビジネスモデルで説明がつく。小売りを挟まない分割安で提供できるというだけではない。直接契約農家から仕入れた素材、添加物を極力減らした菓子づくりというブランド価値にもつながる。低価格と並び、子どものいる家庭やスイーツ好きに支持されている大きな理由だ。

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