ドルは回避、多様化が止まらない世界の外貨準備 円も大幅安を機に新しいトレンドに入るのか

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20年以上の時間軸で見て、非ドル化がすすんでいるのはもはや間違いないが、足元で進む20年以上ぶりの円安を契機に円もドルのようなトレンドに入りつつあるのかに注目したい。今年4~6月期の円安は対ドルで12%も進み、1~3月期の5%の比ではない。リバランスの買いがなければ、今年6月末時点の円比率は際立った低下が確認されるはずである。逆に、それほど円比率が変わらなければ、リザーブプレーヤーは引き続き円を一定程度保有する意思がありそうだと推測できる。

もちろん、6カ月程度の時間軸でリザーブプレーヤーの意思を断定することはできないものの、年初来の円は対ドルで20%弱下落しており、ポートフォリオマネジメントの観点から完全に放置するのも難しい状況に思える。また、経常収支や貿易収支といった円の需給構造の最も本質的な部分が変化しているのも事実であるため、これを踏まえて海外金融当局がどう動くのかは興味深いテーマである。

本当に円比率が本格的な低下トレンドに入れば、相場への影響も軽視できないものになるだけに、次回のCOFERでも円比率は要注目である。

唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

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からかま・だいすけ / Daisuke Karakama

2004年慶応義塾大学経済学部卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会経済金融総局(ベルギー)を経て2008年よりみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。著書に『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(日経BP社、2024年7月)、『「強い円」はどこへ行ったのか』(日経BP社、2022年9月)、『アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの』(日経BP社、2021年12月)、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』(東洋経済新報社、2017年11月)、『欧州リスク: 日本化・円化・日銀化』(東洋経済新報社、2014年7月)、など。TV出演:テレビ東京『モーニングサテライト』など。note「唐鎌Labo」にて今、最も重要と考えるテーマを情報発信中。

※東洋経済オンラインのコラムはあくまでも筆者の見解であり、所属組織とは無関係です。

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