急に相続が発生「預金や金融資産」を確かめる方法 手続きを間違えると口座が凍結される恐れも

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相続の話し合いは、兄弟姉妹や親族など関係者(相続人になりうる人たち)が集まっているところで行うのがベストです。誰かが欠けていると、「自分の知らないところでお金をとられているのでは?」と疑心暗鬼になる人が出てくるからです。そうした意味からも、お盆は相続の話をするのに絶好の機会といえるでしょう。

さて、相続の話し合いで目指すべき到達点は「納得した内容の遺言書を書いてもらう」ということです。遺言書は法的な効力がある文書ですから、相続人はその内容に従うことで無用なトラブルを回避できるのです。

親御さんにしても、亡くなった後に子どもたちが財産のことで仲が悪くなるのは本意ではないでしょうから、家族円満を続けるためにも遺言書は重要です。

遺言書には、主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

多くの相続事例を見てきた立場からすると、ご自分で遺言を作成する自筆証書遺言や秘密証書遺言は、手軽である反面、内容に問題があったりして、かえってトラブルの種を生んでいるケースが多々あります。

せっかく遺言書を作成するのなら、多少の費用はかかりますが、専門家の手を借りて公正証書遺言にしておくことをお勧めします。相続発生後の手続きがとても楽になりますし、話し合いがまとまらず遺産分割協議で弁護士を雇ったりすれば、公正証書遺言を作成する何倍も費用がかかったりするからです。

遺言書も早めにきちんとした形で準備しておくことが、費用を抑えるコツなのです。

「うちには財産はない」の落とし穴

「うちは相続するような財産はない」と思っていらっしゃる方も落とし穴があります。

これから相続を迎える高齢世代は、マイホームを買うことが当たり前でした。そのため金融資産はなくても、自宅は所有しているという方が多いでしょう。実はそういう家庭こそ、相続でもめてしまうことがあるのです。

預貯金などの金融資産は分割しやすい財産です。一方、自宅などの不動産を売却して現金化して、それぞれの相続分で分けることに同意できればいいのですが、現実はなかなか簡単にいきません。相続人の1人がその家に住んでいれば、そのまま住み続けたいと売却に反対することもあります。

「同居していた兄は自宅に住み続ける代わりに、その他の金融資産を弟が相続する」などと決めようとしても、それぞれの資産価値がイコールでない以上、不公平感を持つことがあります。さらに自宅を売却するにしても時間がかかり、その間に相続人の意思が変化することもあり得ます。財産の多い少ないにかかわらず、相続の話し合いは必要なのです。

ちなみに、相続税の申告には「亡くなられてから10カ月以内」という期限がありますが、相続手続きには明確な期限はありません。

しかし、銀行口座を名義人が亡くなられてから何年も放置していると、「休眠口座」扱いとなり、預金が国庫に帰属することになってしまいます。また、不動産の相続登記が2024年4月1日より義務化され、不動産取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなりました。今後は不動産も含めて、相続されなかった財産は国のものとして国庫に帰属することになるでしょう。

相続手続きの相談は、生前から早めに始めるのがベターですが、亡くなられてから四十九日などの節目を経てはじめて相談に来られるお客様も珍しくありません。いつからでも遅すぎることはありませんので、気になったタイミングで専門家へのご相談をおすすめします。

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