急に相続が発生「預金や金融資産」を確かめる方法 手続きを間違えると口座が凍結される恐れも

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預貯金にしても、「財布や引き出しを見て3つの銀行口座を持っているのは確認できたけど、本当にこれで全部なのか?」という疑問や、最近では高齢者の方でもネットバンキングを使われる方も増えていることから、「スマホの暗証番号がわからないからネット銀行の残高が確認できない」といった相談も増えているのです。

相続発生後のことでいえば、銀行口座はたとえ名義人が亡くなっても、「除籍謄本」の原本を提示して、自身が相続人であることを証明できれば、金融機関への問い合わせや口座情報の照会は可能です。

単に亡くなった事実を伝えるには「死亡届」の提示でも問題ありませんが、ご自身との関係性の証明にもなるので、「除籍謄本」のほうが望ましいでしょう。法定相続人でなくても、遺言書を提示して遺産の受遺者であることが証明できれば、金融機関への問い合わせは可能です。

ただし、名義人の死亡が証明されるとその時点で口座が凍結され、入出金ができなくなります。亡くなられた方の口座で光熱費などの各種引き落としを行っている場合、口座振替の手続きを先にしておいたほうがよいかもしれません。

亡くなられた方が株式や投資信託などの金融資産を保有していた場合、売却して現金化したうえで相続するのが一般的です。

しかし、亡くなられた方の証券口座で換金や売却手続きをすることはできませんので、株式などを移管するために、相続人が自身の証券口座を開設する必要があります。

相続発生後も1年程度は、親御さんあての郵便物をチェックしておいたほうがよいでしょう。口座引き落としができなかった通知から借入金の存在が判明したり、年1回送られてくる株主総会通知から保有株式がわかったりすることもあるからです。

相続の話をどうやって切り出す?

相続の第一歩は、親御さんが元気なうちに財産についての情報を共有しておくことから始まります。とはいえ、いくら親子でも「うちにはいくらお金があるの?」などと聞くのは、プライバシーを尊重する意味からもよくありません。

実際、「相続の話を親御さんに切り出すのは難しい」という悩みをよく耳にします。たしかに親御さんの立場からすれば、「自分が死んだ後のことは考えたくない」という心境になるのも無理はありません。

それでも、最近は「終活」や「エンディングノート」といった言葉も一般的になりましたし、テレビのワイドショーでも相続ネタが頻繁に放送されています。親御さんがなじみの深い芸能人の相続に関する話題などから、自分たちの相続の話を切り出すこともできるのではないでしょうか。

また、保有財産の金額そのものズバリを尋ねなくても、「どこの銀行の何支店に口座を持っているのか」「株式取引している証券会社はどこなのか」「自宅以外に不動産を持っているのかどうか」「(祖父母の代から)相続でもめている件はないかどうか」などの点だけでも確認しておくと、相続発生後の手続きが比較的スムーズに進められるでしょう。

これから夏になるとお盆で帰省して親族で集まるという機会も出てきます。お盆とは、亡くなられた人やご先祖様があの世からこの世へと戻ってくる機会とされます。ご先祖や祖父母の話題から、親御さんが亡くなった後のことも話しやすい雰囲気になるかもしれません。

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