<3>顧客宅にロッカー設置で確実な配送
スーパーサンシの会員になると「鍵付きロッカー」が無料で設置されます。これにより確実に「置き配」ができるようにし、「再配達」にかかるコストを回避しているのです。1件あたりの配送時間も短縮され、1時間あたり10〜15件というきわめて効率的な配送を実現しています。
<4>スマホアプリの自社開発・運用でコスト削減とスピード対応実現
商品注文用のスマホアプリなど、ネット周りの環境も自社開発。運用も自社で担っています。これもコスト削減の狙いがありますが、コンテンツやデザインなどに現場の声を反映させるスピードが速いことも、スーパーサンシの強みになっています。
このようなコスト削減策により、いち早くネットスーパーを黒字化させたスーパーサンシ。その徹底ぶりは、大手スーパーも同様の戦略をとらなくては黒字化は難しいのではと思われるほどです。
イオンvsスーパーサンシ 勝負の分かれ目
一方、小売りの王者イオンはというと、中期経営計画における成長戦略として「ネットスーパーやレジゴーなど、利便性向上に向けた取組」を掲げており、ネットスーパー事業の拡大を進めています。2022年2月期のネットスーパー売上高は750億円以上。直近3カ年のネットスーパー事業の年平均成長率は35%を超えています。2025年度までの中期経営計画においてはネットスーパーを含めたデジタル売上高を「1兆円」にするという目標が掲げられました。
イオンのネットスーパーは、全国に400以上ある店舗網を生かして店舗から商品を出荷する形をとっています。また顧客がネット上で注文し、店内のカウンターや専用ロッカー、またドライブスルー方式などで受け取りをするピックアップ・サービスを導入していることもイオンの特徴です。
配送は外部に委託していますが、イギリスのネットスーパー「オカドグループ」と提携し、AIやロボットを活用した次世代ネットスーパー向け物流施設も計画中です。イトーヨーカ堂や西友など他の大手各社にも、店舗とは別に大型物流センターを開設する動きがあります。一定以上の人口密度と店舗密度があるエリアならば、巨大な物流センターがまとめて配送業務を行ったほうが配送コストを抑えられるからです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら