そして、職業ゆえの災難とも言える出来事も。自宅に窃盗団に入られてしまったのだ。ブランド物のバッグや時計、現金300万円を含め、その被害総額はおよそ2000万円にも及んだという。
「警察の話によると、当時、泥棒の間でママたちのリストが出回っていて、そこに私の名前もあったようです。コソドロと思いきや、たとえば使用済みの時計、バッグは持っていかなかったり、きちんと目利きがされていたので、組織的な日本人グループの犯行だったようで……。
当時加入していた火災保険に『家財道具』がついていたため、幸いにも400万円ほど保険がおりました。なので、置いておいた現金分くらいは返ってきましたが、本当にショックな事件でしたね」
ただ、結果的にこの事件が、彼女の生き方を変えていくことになる。
「こんなことを言うのもあれですけど、その頃の私は、何もかも手に入れていたんです。もう欲しい時計もない、欲しいカバンもない、って。だから鼻を折られたというか、調子に乗っているって神様が教えてくれたんだと今は思います」
高校中退は「後悔しかない」
その後、姫野さんは子供ができたことをきっかけに、夜の世界を離れることを決断。足を洗って10年以上が経ち、現在50歳となった姫野さんは、最愛の子供を育てながら、飲食店などでパートタイマーとして、ごくごく平凡な暮らしを送っている。
話を聞いている限り、成功した人生と言って差し支えなさそうに思えるが、高校を中退したことをどう思っているのか尋ねると、「中退したことは、後悔しかない」とのことだ。
「大卒と、高卒や中卒とでは、やっぱり全然できる仕事が違うんですよ。正社員として入社できる会社が限られるのは多くの人が想像できるでしょうけど、取れる資格も限られますからね。
私の周りには高校中退者も多いんですけど、そういう話になると『取れる資格が少ないよね』というのはよく出る話題です。高校中退で人生の選択肢を少なくしてしまったのは、私が深く後悔していることでもあるし……というか、中退を後悔してない人はいないんやないかな?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら