おぼん・こぼん「人生チャンスは3回」不仲も活かす 華麗なデビューから57年、齢70歳過ぎて輝く訳

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こぼんは、自らの芸風をこう評す。

こぼん:「漫才というのは、もともと万才と呼ばれていた。万(よろず)の才能という意味で、そのように呼ばれていたと言います。掛け合いだけではなく、歌や踊りなどさまざまな芸をやって、お客さんを楽しませていた。僕らがやっていることもそれに尽きます。おぼん・こぼんは、エンターテインメントが好きなんです」

こうした芸歴を重ねてきたからこそ、おぼんも一家言を持つ。

大トリの大役を果たし、舞台上でポーズを取る(撮影:尾形文繁)

最低でも30分ウケる芸が必要

おぼん:「今は、舞台やステージにしても、テレビ的に矢継ぎ早にネタをする傾向が強すぎる。3分、4分、長くて10分くらいかな。今はそれでお金もらえるけど、人気が落ちたとき、露出が減ったとき、飯を食っていけるのかなって。最低でも30分バシッとウケるような芸がないといけないと思うよ。テレビの影響を受けすぎて、ネタや芸が細くなっている」

隣で耳を傾けるこぼんが、小さく頷く。

「俺らの漫才って、インチキ漫才。“よう! インチキ漫才!”ってからかわれるんだから。でも、それで30分でも1時間でもお客さんを楽しませることができるのよ」と、おぼんは穏やかに語る。

おぼん:「タップを踏んで、楽器演奏もやるんだから、たしかにその通りなの」

こぼん:「やる必要がないこともやるわけじゃないですか。でも、僕らはお客さんが楽しんでいただければと思いながら、そういう信念でやっている」

おぼん:「そうそう。“インチキ漫才”かもしれないけど、ものすごくかわいがってくれる人もいて、仕事ってどんどんつながるわけです」

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