坂上忍さんが危惧する「日本の保護活動の行く末」 動物の世話をする人の生活が守られていない

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――どんな業界でも人材は重要ですが、特に「さかがみ家」での仕事は動物の命に関わるので、それだけ人材選びは慎重になりますよね。「愛情」であるとか、「責任」であるとか。

坂上:僕の場合、人間性を最も重視します。一般募集の応募者が約1000人いて、その9割が女性でした。こういうことに関しては女性が多いのはわかっていたのですが、ここまで偏るとは驚きでしたね。

まず、書類選考があって、スタッフのリモート面接があって、その後に僕がリモート面接して、最終的に対面で面接しました。新しい人とお付き合いするときって、これまでの芸能人生で培った「この人だったら裏切られても仕方ないのかな」という勘で選びますね。期待もしていますけど、どこかで裏切られる可能性があることも想定しています。

ただ、今回は皆さん若いので、人間性だけでなく、可能性も考えました。結果的に、正社員は全員20代前半で女子。どうやって付き合えばいいんだろう、どうやって話せばいいんだろうって悩みもあります(笑)。

まっさらな人のほうがいい

――テレビ番組で拝見しましたが、スタッフの皆さんはほかの保護団体などで研修を受けているようですね。経験者ではなく、初心者あるいはそれに近い人材をスタッフに選んだのはなぜですか?

坂上:テレビで映っていたのは、名古屋の団体さんです。いろいろなやり方があると思うのですが、厳しい所で研修したほうが勉強になると思ったので、そういうところへ行ってもらいました。別の団体さんからも協力をいただいています。

いろいろなお考えはあると思いますが、キャリアは経験を積めば付いてくるものだし、僕は経験上、色が付きすぎている人よりまっさらな人のほうがいいと思っていて、動物に関してはまっさら、あるいはそれに近い人を選んで、自分たちで色付けしていく。みんな、ゼロから学ぶ気持ちのある本気のスタッフですね。

――自分たちで保護活動の新しい道を切り開いていってもらいたいということですね。

坂上:スタッフたちが金銭的にも精神的にも疲弊していては、良いアイデアも浮かばないし、熱意だってなくなるので、良い環境の中で仕事に見合う対価を得て、自分たちで得た利益で回していいけるよう、僕と一緒に楽しみながらお仕事をしてもらえたらと思っています。

テラスに設置されたネコの遊び場(写真:著者提供)
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