さらに、2014年12月時点ですでに実施した施策を聞いたところ、「特にない」と回答した企業は37%にとどまった。「キャリアセンター訪問」(33%)、「インターンシップ」(28%)、「学内企業セミナー」(25%)などは4分の1以上の企業が実施済みと回答している。
また、17%の企業は「採用ホームページの開設」を済ませているし、7%の企業が「プレエントリーの受付」を、4%の企業が「選考」をすでに開始していることもわかった。多くの企業が理系学生の確保を意識していて、理系研究室への訪問は約半数(49%)の企業が実施済みだ。
8月以前から面接は本格化
それではいつから面接が始まるのだろうか。HR総研の面接開始時期に関する質問に対して、経団連の指針どおりの「8月以降」と答えたのは大手企業(従業員1000人超)のうち37%しかいなかった。逆に言えば6割以上が指針を守る意思がないことになる。
また、中堅・中小企業で「8月以降」と答えたのは2割強しかない。大手企業に比べて知名度の低い中堅・中小企業は採用に焦っていて、8月以前からどんどん面接を行うつもりだ。
2016年新卒採用で大きな特徴は、インターンシップが増加していること。インターンシップを採用に直結させてはいけないことになっているが、実際のところ、インターンシップと採用が関連していることは周知の事実である。
HR総研の調査では、大手企業(従業員1000人超)の場合、「選考とは関係ないが応募者が採用に結び付く割合が高い」「選考に関係あるが明示していない」との回答を合わせると57%になる。要するに、インターンシップは採用と関連するのだ。
実際に学生に取材してみると、「夏や秋のインターンシップに参加したときに親しくなった人事担当者に、その後、何回か食事会に呼ばれた」といった声が多い。このようにインターンシップをきっかけに優秀な学生と親しい関係を築き、食事会や3月以降の説明会で囲い込んで、採用につなげるということは以前からもあった。こうした展開は予想の範囲内だ。
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