負傷兵を置き去りにするロシア軍のプロ意識欠如 精神異常をきたす兵士がいるのは指揮官のせい

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ISWは、この報道を独自に検証することはできないとしながらも、「ロシアの軍事ブロガーによる解説が、状況証拠としてこの情報の正しさをある程度裏付けている」と指摘した。

「ロシアの軍事ブロガー、アレクサンダー・ジチコフスキーは、ロシア軍司令部が優先順位の低いザポリージャ州の前線に送り込んだ予備兵部隊の存在を無視していることを批判した。ロシア軍司令部はウクライナ軍が激しい砲撃を行なっている戦場に、軽装備の歩兵部隊を砲撃の援護なしに送り込み、周辺部隊と交代して休ませることもなかったと彼は言う」と、ISWの報告書は続ける。

さらに「ロシア軍に死傷者が多く、精神に異常をきたす兵士もいるのは、ロシア人指揮官が原因であるとジチコフスキーは指摘した。別の軍事ブロガー、アレクサンダー・コダルコフスキーは、ロシア軍の指揮官がタイムリーに援軍を送らなかったため、現地の部隊は地上戦の合間に休むことができなかったと述べた」と、付け加えている。

親衛隊が軍事作戦への参加を拒否

一方、プーチンの「私兵」とも呼ばれるロシア国家親衛隊(ロスグバルディア)の兵士100人以上が、対ウクライナ軍事作戦への参加を「拒否」し、解雇された。ロシア軍とは別の国内部隊である国家親衛隊の兵士たちは、戦場に行く代わりに自分の基地に戻ることを選んだと伝えられている。

プーチンのウクライナ侵攻は、始まるやいなや国際的な反発を招いた。3月2日の国連総会では、大多数の加盟国が今回の全面的な侵略を非難する票を投じた。この国連決議にロシアとともに反対したのは、ベラルーシ、エリトリア、北朝鮮、シリアのわずか4カ国だった。

アメリカとNATO諸国は、ロシア経済および政財界のエリート、およびプーチン本人を標的にした大規模な金融制裁をただちに実施した。さらに、ウクライナ軍に数十億ドルの人道的・軍事的支援を行い、これまでのところロシアの西方への進出をほぼ阻止している。

(執筆者:ジェーソン・レモン)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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