日本は公務員減らしすぎ?都庁改革で見た超本質 日本の行政はまるでログインできないAmazon
日本のデジタル化(DX:デジタルトランスフォーメーション)が大きく遅れている。このままだとその必要性も認識できないまま改革も進まず、世界からも「遅れた住みづらい国」として取り残されていく懸念も高まっている。
この状況に対し、行政のデジタル化改革に取り組んでいるのが、ヤフーの経営者から東京都副都知事に転じた宮坂学氏だ。新経済連盟が日本の未来戦略をまとめた新刊『JAPAN TRANSFORMATION(ジャパン・トランスフォーメーション) 日本の未来戦略』から、宮坂氏と新経連幹事・新浪剛史氏(サントリーHD社長)による行政の未来戦略を紹介する
「数値化」でデジタル改革は進む
宮坂学(以下、宮坂):長く身を置いていた「デジタルで回っている世界(ヤフー)」から「紙で回っている世界(東京都)」に転じた当初は驚きの連続でした。
たとえば、情報を伝えるときも、いまだに「添付ファイルをプリントアウトして回覧する」といった習慣が根強いので、とにかく日々扱う紙の量が多い。DXの前に、その手前の「DX ready」な状態に整える必要がありました。まずわかりやすい結果を出すために、最初に着手したのは「紙を減らす」ことでした。
重視したポイントは数値化です。都庁の中で使用する紙の枚数、コピー機の台数、ファクスの送信件数を部署ごとに算出して、数字を減らす目標を決める。「ファクス件数を98%削減しましょう」と都知事が言ったときには、「絶対無理だ」という反応が大半でしたが、すでに9割以上削減できています。
課題を数値化して、目標を定めて、うまくいった部門のノウハウを全体に共有する。まだまだ道半ばですが、企業でも実践してきた地道な改善スキームを取り入れれば、行政の〝当たり前〞も変えていけると確信しています。
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