逆に「今のままの自分でいい」と思っている人は、どんなに学力が高かったとしても東大は難しいと思います。なぜならそういう人はモチベーションが続かないから。最初は頑張れても、受験している中でだんだんつらくなってきたら「自分はここでいいや」と偏差値的に低いほうに流れてしまいます。
もちろん東大受験自体がなんのハードルでもなく、あまり苦労せず東大に合格してしまうような天才は違いますが、それも一握りの話。たいていの場合は、受験という大きなハードルの中で、ちょっとつらくなってきてしまいます。そうすると、なんらかの飢餓感がない生徒は簡単に東大を諦めて違う道に行ってしまうのです。
失敗経験のある生徒は東大受験に向いている
もしこの記事を読んでいるのが親御さんなら、声を大にして言いたいのは、「失敗経験のある生徒さんのほうが東大受験に向いている」ということです。中学受験に失敗してしまい、その失敗を取り戻すかのように東大を受験して合格した、なんて人もザラにいます。
重要なのは、飢餓感を持っていたり、コンプレックスを持っていたりするお子さんに対して、そのコンプレックスを「そんなこと気にする必要ないよ」と否定することでも、執拗にコンプレックスを刺激して「あんたはこういうところが抜けているんだからこうしなさい」と言うことでもなく、ただ寄り添ってあげることです。
そしてできるならば、次の挑戦を支援してあげることです。そうすればお子さんは、以前の失敗をバネにして、飢餓感を次に活かすことができるようになるのです。
もちろん次の挑戦が東大受験である必要はありません。どんなことでもいいから、次の挑戦を応援してあげることで、きっと次にうまく活かせるのだと思います。
ドラゴン桜の初代編集の佐渡島庸平さんは、「成功を積み上げるのが人生じゃない。挑戦を積み上げるのが人生だ」と語っていました。その言葉のとおり、成功体験や満腹感を得るだけが人生ではありません。失敗してもいいし、飢餓感や劣等感があってもいい。むしろそっちのほうが次の大きな挑戦のバネになります。
満腹感ではなく、飢餓感をこそ重視して生きていきたいものですね。
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