"晩婚さん"の前に高くそびえる「2つの山」 40歳超えるとズシリとくるあの問題

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「20代の頃は飲み会がたくさんありました。高校時代の友だちで合コンを企画しまくる子がいて、彼と会ったのもその飲み会です。どのへんが好きだったか? ずいぶん前のことなので忘れてしまいましたが、すごく気が合って楽しかったことは覚えています。20代を彼に捧げました」

20代後半が結婚適齢期だとされるのは、出産や子育てだけが理由ではないと思う。恋愛感情や性欲が高まるので、同世代の異性との出会いがとにかく楽しいのだ。あれこれ考えずに「好き!」という感情だけで突っ走れる。その勢いで結婚前に子どもができるカップルも少なくない。一方のわれら晩婚さん(35歳以上で結婚)は、気持ちも行動もよく言えば慎重、悪く言えば鈍重になるのは否めない。

しかし、20代はキャリアパスがまだまだ不確定だという一面もある。明子さんが彼と別れてしまったのも、仕事面でのすれ違いが原因だったようだ。

「彼と付き合い始めたときは私はまだ大学院生で、教員採用試験にもなかなか合格しませんでした。卒業してからも3年ぐらいは非常勤の教員だったのです。自分の立場が不安定なので、彼を両親に紹介する気持ちのゆとりを持てなかったのだと思います」

同じ年の相手と20代で結婚する難しさ

現在、勤務する私立高校の正規職員になってからは、明子さんは精神的にも経済的にも安定し、仕事に夢中になった。

「コギャルたちとの真っ向勝負の毎日でしたね。お互いにノーガードでぶつかり合いました。生徒たちと一緒にいることがすごく楽しかったです。今でも教師という仕事が好きですけど、あの頃に比べるとずいぶん落ち着きましたよ」

皮肉なことに、20代前半は溌剌と働いていた恋人のほうが今度は仕事で悩み始め、だんだんと音信が途絶えがちになった。明子さんは悲しみをこらえて「このまま会えないなら別れましょう」というメールを送った。彼からの返信は、「実は会社を辞めることにした」という告白から始まる長文の内容だった。

「そこまで仕事で悩んでいたことを初めて知りました。相談にすら乗ってあげられなかったな……」

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