2100年代、日本は韓国より早く国家機能失う危機 人口問題に関して、北朝鮮は韓国の「奥の手」に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

つまり、「わからないことをあれこれ考えても仕方ないだろ」と思考停止しているのが、少子化への危機感が高まらない理由です。しかし、これは危険なことです。「日本人の消滅」と「日本国の消滅」は別問題だからです。

人口が減ると、交通機関や通信施設、電気・ガス・下水道といった社会インフラや国防・警察といった国家機能を維持することが難しくなります。最近インフラの老朽化が各地で問題になっているように、すでにその兆候が表れています。

人口減少が続き人口規模がある水準を下回ると、いよいよ社会インフラや国家機能を維持できなくなります。そして最終的には、日本人(日本民族)はそこそこいるとしても、日本という国家は消滅してしまうのです。
「日本国の消滅」が先にあって、その後に「日本人の消滅」が起こるわけですが、ここで注意が必要なのは、「日本国の消滅」は「日本人の消滅」よりもはるかに早く訪れることです。

2100年代に日本国は韓国よりも先に消滅

「日本国の消滅」は、いつ頃起こるのでしょうか。日本に関する有力な予測は見当たりませんが、お隣の韓国については、たくさんの予測があります。

オックスフォード人口問題研究所のデービッド・コールマン教授は2006年に、「韓国が人口減少で国家を維持できなくなり、世界で最初に地球から消滅する」と予測しました。国連人口部やサムスン経済研究所なども、同じような予測を公表しています。消滅の時期は2100年代としている研究が多いようです。

その後、韓国の合計特殊出生率は、2018年に0.98と世界で初めて1を下回り、2021年には0.81と加速度的に落ち込んでいます。この末期的な状況を受けて最近、「韓国は2100年まで持つのか?」という超悲観論も出始めています。

このように、「韓国が2100年代に世界で最初に消滅する、日本はそれよりも後」というのが学界の定説なのですが、本当にそうでしょうか。人口問題の研究者は、北朝鮮の存在を失念しています。

次ページ孫やひ孫世代に訪れるかもしれない危機
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事