最新!「住みよさランキング2022」全国トップ50 武蔵野市が初の総合1位、コロナ禍が変動要因に

✎ 1〜 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 71 ✎ 最新
拡大
縮小

総合3位は前回1位の石川県野々市市。2020年から総合1位継続中だったが、3年連続とはならなかった。市の人口は5.3万人で、県のほぼ中央に位置し、金沢市と白山市に隣接している為、両市とは公共交通機関で手軽に行ける距離にあり、経済的にも結びつきが強い。前回同様に『⑧人口当たり大規模小売店店舗面積』は1位で、カテゴリー別の『利便度』は9位と評価が高い。街の若さは全国トップクラスで、国勢調査2020年公表の同市の平均年齢は、41.7歳で全国15位の若さ。『③20~39歳女性人口当たり0~4歳児数』でも56位と子育て世帯が多いことがうかがえる。

今回新たに総合トップ50位にランクインを果たした都道府県は、山梨県(北杜市:25位)、広島県(大竹市:45位)、新潟県(上越市:50位)。前回ランクインの宮城県、静岡県、大分県勢は姿を消した。

東京特別区が低調な結果に

トップ50位の都道府県別市区数の上位は、東京都の7市区、石川県の6市、福井県の5市、愛知県の5市とつづく。石川県、福井県、愛知県は市の顔ぶれに一部変化はあったが、前回とランクイン数に変わりはない。一方で、東京都だけが前回10市区から数を減らしていた。特に、江東区を除く全ての東京特別区は、総合偏差値ともに前回順位を下回った。

コロナ禍の影響により、2020年の特別区の転入者数は前年比で平均9%以上の減少に転じており、本来は特別区のストロングポイントであった『⑪転出入人口比率』が低調だったことが、総合評価を押し下げたようだ。

同じ都市部でも大阪府は、前回の大阪市に加えて箕面市の40位と吹田市の48位がランクインを果たしている。

「住みよさランキング2022」算出指標  
■ランキングの対象
2022年6月時点で、全国にある市と特別区(東京23区)が対象。特別区のうち、千代田区、中央区、港区の3区は対象から除外しており、812市区を対象としている。
■算出指標
「安心度」、「利便度」、「快適度」、「富裕度」の4つの視点から、20のデータを用いて算出。
■算出方法
各指標について、平均値を50 とする偏差値を算出。すべての指標の偏差値を平均したものを「総合評価」としている。偏差値は、特異数値による過度の影響を避けるため、各指標の最高を70、最低を30に調整しており、末尾に※を付した指標は、小→大の順に算出。また、財政力指数、人口当たり法人市民税は特別区を除外して算出している。
A.安心度
①人口当たり病院・一般診療所病床数(2020年10月):厚生労働省「医療施設調査」
②老年人口当たり介護老人福祉・保健施設定員数(2020年10月):厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」
③20~39歳女性人口当たり0~4歳児数(2021年1月):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
④子ども医療費助成(対象年齢・所得制限の有無)(2022年4月):東洋経済調べ
⑤人口当たり刑法犯認知件数(※)(2020年):各都道府県警察調べ
⑥人口当たり交通事故件数(※)(2020年):交通事故総合分析センター調べ
B.利便度    
⑦人口当たり小売販売額(2015年):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑧人口当たり大規模小売店店舗面積(2021年):東洋経済「全国大型小売店総覧」
⑨可住地面積当たり飲食料品小売事業所数(2016年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑩人口当たり飲食店数(2016年6月)総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
C.快適度    
⑪転出入人口比率(2020年):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
⑫水道料金(※)(2022年4月):東洋経済調べ
⑬汚水処理人口普及率(2021年3月):国土交通省、農林水産省、環境省調べ
⑭気候(月平均最高・最低気温、日照時間、最深積雪)(1991~2020年):気象庁「メッシュ平年値データ」
⑮都市計画区域人口当たり都市公園面積(2020年3月):国土交通省「都市公園整備水準調書」
D.富裕度    
⑯財政力指数(2020年度):総務省「市町村別決算状況調」
⑰人口当たり法人市民税(2020年度):総務省「市町村別決算状況調」
⑱納税義務者1人当たり所得(2020年):総務省「市町村税課税状況等の調」
⑲1住宅当たり延べ床面積(2018年10月):総務省「住宅・土地統計調査」
⑳住宅地平均地価(2021年7月):国土交通省「都道府県地価調査」
(注記)
・①の病床数は、各市区で算出した値と「二次医療圏」で算出した値を比較し、高い値で偏差値を算出。
・④の子ども医療費は、対象年齢と所得制限の有無を東洋経済が指数化して偏差値を算出。
・⑦の小売販売額、⑧の大型店面積は、各市区で算出した値と「東洋経済生活圏」で算出した値を比較し、高い値で偏差値を算出。
・⑭の気候は、月平均最高気温、月平均最低気温、日照時間、最深積雪のそれぞれの偏差値の平均値を採用。
次ページまずは1~25位のランキング
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT